ジャーナリングを生活に取り入れ、日々をととのえる



ジャーナリング。

journalという英単語は、個人的な日記・日誌という意味を持ちます。ほかにもあるけど。
「ジャーナリング」という日本語は、単に「日誌をつけること」だけでなく、いろんな意味を内包した言葉になっているようです。

日記のようなもの、アイデアメモのようなもの、悩みや心配事を書き出していくこと、数字などデータの記録…。

いろんなかたち、いろんなやりかたがありますが、ジャーナリングは「記録すること」です。

最近は、メンタルヘルスジャンルで、ジャーナリングというワードが注目されているみたいですね。
私も「書き出すこと」を長年の習慣にしていますが、書いて可視化することで、日々の自分の環境や心をととのえることができると感じています。

自由に書き出すことの、さまざまなメリットをご紹介します。

言語化・見える化して発見する

ブレインダンプとか、モーニングページとか、頭の中にあることを書き出していくことで何かを発見する、系のワーク。

最近は「書く」のではなく、「発話する」、録音ツールなどを使ってのジャーナリングもよく聞くようになりました。

手書きでガリガリ書き出していくと、腕や肩の筋肉を使うこともあり、やり終えたあとの達成感、スッキリ感は格別です。

脳は一度にいろんなことを考えられないといいます。 「今」にフォーカスすると、基本的にその瞬間の悩みや不安は考えの外にとばされます。 ...

解決策を探る

書き出すワークとも共通項がありますが、書いて言語化することで、解決策を探っていくワーク。

脳内で起こっているネガティブな思考のループを書き出してみることで、自分のはまり込んでいるパターンに気づけます。
また、感情面だけでなく、日々の行動記録やデータの積み重ねからも、心身の健康を保つ方法を考え見つけることができます。

記録を眺めて気づくことで、終わっていく-課題が解決するのも、わりとよくあることです。

自分でも認めたくないような、でも正直な気持ちを飾らずに書き出すことで、あっさりことが解決したりすることがあるのは、とてもおもしろい現象だと思います。

書くことも大事ですが、書いたものを眺めることで見つかることも多いです。

手帳がうまく書けていない、と思うときはたいてい、手帳をちゃんと見ていないものです。 (今月は「一日1捨」をテーマにしました。) ...

コーピング

ストレス軽減の具体的な策としての「ジャーナリング」が、メンタルヘルス界隈で最近話題になっているようです。

不満や不安を脳内にためこんで反芻し続けていると、不満や不安本体にがんじがらめになってしまい、「自分は本当はどうしたいのか」というところが見えなくなっていきます。

不満や不安、怒りや悲しみをただひたすら書き出していくことで、心が落ち着いていくこともあるでしょう。

逆に、いったん不満や不安から視線を外し、自分のしたいことや快適と感じることを思い出しながら並べていくことで、ある種の執着から心を解き放つことができるかもしれません。実際に自分を快適にするために動いてみることで、変化が起こることもよくあります。

少し前に、NHKスペシャルの「キラーストレス」シリーズをご覧になった方も多いと思います。 ストレスは心の健康だけでなく、身体の健康にも大き...

揺らいでいる状態がデフォルト

『「箇条書き手帳」でうまくいく』という本を出しましたが、ずっとうまく行き続けることなんてありません。

うまくいくこともあれば、そうでないこともある。

生きるということは、ずっと揺らぎ続けることです。

誰にも光の側面と闇の側面が必ずあって、こっちに傾いたり、あっちに傾いたりしながら、バランスをとって生きていく。

記事タイトルに「日々をととのえる」って書きましたが、「常にととのった状態をキープする」んではないんですよね。
ととのえて、時間がたつとごちゃっとなって、それに気づいて、またととのえて…。
寄せては返す波のように。くりかえしながら、二度と来ない今日いちにちを生きる。

日々を記録すること(=ジャーナリング)で、「うまくいかせつづけることなんてできない」というあきらめのような悟りのようなものを得たことで、少し生きやすくなりました。

この春、今まで味わったことのない感覚が私のもとにやってきました。 ミッドライフクライシスのような、バーンアウトのような。 仕事も...

矛盾するようですが、ジャーナリングすればそれだけでなんでも解決!、というわけにはいきませんよ。いくわけないです。

ものの見方に変化を与える

書き出す・記録する、という行為を続けることで、全体をふわっと見たり、ぐーっと寄って行ってじっくり見たり、いろんな方法でものごとを観測するトレーニングができていると感じます。

そういう意味では、ジャーナリングをするときに、特定のフォーマットにこだわりすぎない方がよいのだと思います。いろんな方法を試してみる。

「発見」のためのジャーナリングに慣れたら、「引きで見る」ためのジャーナリングを取り入れてみる、というように。

頭のなかのあちこちを覗きながらただただ書き散らしていくなかでやがてゾーンに入っていき、何かに気づくこともあれば、

頭をひねりながらカテゴリごとに仕分けつつ、じっくり書いていくことで出てくるものもある。

まっさらな広い紙面に勢いをつけて書き出していく方法がよいときもあれば、書くべき場所と内容がきっちり決められた枠の中でできる発見もあります。

川の流れのように続く日々の中の「今日という日」、さらには「今この瞬間」に集中するためのツールとして、バレットジャーナルは適役です。 一...

例えば…

モーニングページのようにルーティンで書き出すワークより、私の場合はどちらかというと、メンタルの揺れやダメージを感じたときに、客観的な視点を取り戻すために「書き出す」ことに集中します。

例えば、就職活動の面接で、「あれ、これはちょっと思っていた条件と違うな」と感じ、こちらから断ろうかなと考えていたところに、先方から不採用の「お祈り」メールが届いたケースなんかがいい例でしょうか。

自分でも「合わない」とわかっていたのに、相手から先に断られたことで、心の中にモヤモヤが生まれ、自分のどこが悪かったんだろうと考え始める。

客観的に見れば何のダメージも受けていないのに、「選ばれなかった」という点だけにムダにフォーカスして、ネガティブな思いにとらわれて離れられなくなってしまう。

こういった「思考のエラー」を修正するために、自分の気持ちを書き出すことで可視化し整理していきます。

・起きたことに対して生まれた自分の感情:「違った風にふるまっていれば相手から受け入れられたかも」「うまくやれなかった自分はダメだ」「これからもずっとこんなふうに断られるのかもしれない」

・自分の思考パターンを分類していく:「心のフィルター」「マイナス化思考」「結論の飛躍」「感情的決めつけ」

・自分の思考パターンの修正:「どうせ断るつもりだったから手間が省けた」「相性が合わなさそうな企業に入社しなくてよかった」「ほかにも受けたい企業はたくさんある、きっと合うところが見つかる」

このやり方については、去年出した『今日の自分を肯定する 箇条書き手帳術』にも書いてますが、

そのために参考にしたのは『いやな気分よ、さようなら』という書籍です。
ネガティブな思考のループから抜け出す方法を知りたい方はぜひこちらを読んでみてください。

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ジャーナリングのコツ

続けるコツは、ルールが少ないこと。楽しいこと。自分が書くことでメリットを感じられる瞬間があること。

使いやすいフォーマットや、効果を感じるやりかたが見つかっても、同じフォーマット・ひとつのやりかたに固執せず、不定期に別のやり方を試せる柔軟性をもつことも大切だと思います。

そして、目からウロコというか、思考のパターンから抜け出した瞬間を体験できたら、それをしっかり言語化しておいて、たまに見返すのもよいものです。

「完璧な自分をめざす」ことからシフトチェンジし、「ここちよく揺らいでいけるようバランスをとる」ことにジャーナリングを役立てていくの、おすすめです。

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