予約していた本が届き、読了しました。
Kindle版も出てますが、この本は紙書籍で読むのをおすすめしたい!
紙の本ならではの仕掛け
まず、外観からステキです。
カバーの上に全面帯が巻かれています。
帯の下のカバー表紙は真っ白でつるつるですが、帯はしっとり手になじむ紙質です。
(↓すべてを包み込んでいる全面帯)
ノートのページを模した帯も本文ページも目にやさしいクリーム色。高級ノートによくある色合いです。
余白になにか書きこんでみたくなります。
手書き文字が背景に。
これだけで、ぐっと心をつかまれます。
そして本を開くと、帯だけでなく本文ページの背景もノート仕様です。
縦書きの本文に横罫の背景なので、最初は少し気になるのですが、絶妙な濃度なので、すぐに慣れます。
ページ下に、横書きで印字されている章タイトルとページ数が、きちんと罫線に乗っているのもよかったです。
これがずれていると多分気になったと思うので。
章見出しも手書き文字(これもちゃんと罫線に沿ってる)。
随所に手書きページが用意されています。
ノート術の本なのに、ノート例が手書きじゃないと、なんとなく嘘っぽいというか伝わってこないなと思うことがよくあるので、その点もすごくよいです。
「ノート」の概念を広げる
ノートっていうと、学生の時にたくさん使った、商品としてのノート(ノートブック)を連想すると思うのですが、この本ではより幅広い「書き記す・記録する」意味でのノートについて語られています。
考えをまとめるためのメモ帳もノートだし、毎日の記録を記す手帳もノート、そして自分の気づきや日々の記録を世の中に公開するブログもノート。
名前があるものもないものも含めて、49の技法が丁寧に紹介されていきます。
雑多なものがぎゅうぎゅう詰め込まれているかというと全然そんなことはなく、書くこと・記録することへの著者の熱い思いを感じながら、ストーリーを追うように読んでいけます。
書くことの楽しみ方、活かし方、書いた記録と自分自身がどう対話を進めていくか、読みながらどんどんアイデアがわいてくる楽しい本です。
勝手にシンクロ
2019年に発売された『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門 』でもそうでしたが、自分の思っていること、書いて発表したこととシンクロしていることが多くあり、倉下さんの本は「そうそう!私の言いたかった・思っていたことが100倍わかりやすく書かれている!」と感じられます。
自分の話を放り込んで恐縮ですが、6月に発売した自著『ときほぐす手帳』の中で伝えたかったことが、『すべてはノートからはじまる』の中にも散らばっていて、うなずくことばかりでした。(『「箇条書き手帳」でうまくいく はじめてのバレットジャーナル』を紹介してもらえていたのもうれしかったです!)
手帳を日々使う中で、書くことについて私が考えていたこと。
漠然と言語化できないままでいた思いが、わかりやすい比喩と説明ですっきり解説されていて、霧が晴れ視界が広がります。クールに理路整然と語られる文章の中に、ふいに著者の熱さが伝わってくる一文があったりして、その熱量のうねりみたいなものにも、とてもシンパシーを感じました。
ひとまず1回目を読んでのレビューでした。
手帳が好きな方、書くことが好きな方、おすすめです。ぜひぜひ。