The Invisible Life of Addie LaRue 読み終えました



V. E. SchwabのThe Invisible Life of Addie LaRueを読み終えました。

10月に出てすぐにサンプルを読んで勢いで買ってしまったものの、2割くらい読んだところでペースダウン、中断しておりました。ツイッターのTLで読了報告をよく見かけるようになったので、この機会に読み終えてしまおう!とがんばりました。中盤からはかなりスピードアップして、一気に読みました。おもしろかった!

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あらすじ

ことの始まりは1714年のフランス。親に決められた相手との結婚を回避するため、森の中の闇の精(神?悪魔?)と取引をしてしまったAdeline。

そのおかげで自由になり、不老不死の身体を得たものの、その代償として、誰の記憶にも残らないという呪いをかけられてしまいます。

家族や親友が自分のことを忘れてしまっているばかりか、ちょっとドアの向こうに行って戻ってきただけで、彼女に関するすべての記憶がとんでしまっているので、人間らしい関係がまったく築けない。文字を書いても、歩いた足跡すらも消えてしまい、世界に自分の生きている痕跡が残らない。

自分のことを覚えているのは、呪いをかけた闇の精だけという状態で、300年という長い時間を孤独に生き延びたAddieは、2014年のニューヨークで、とうとう自分のことを覚えていられる人間に出会います。

ちなみに、『アデライン、100年目の恋』という映画があり、全然別の話なんですけど、名前と「不死」という前提が同じなのが気になりました。偶然にしては一致しすぎて興味深い。

映画のほうも最近Amazonプライムで観たのですが、どこにたどり着くのかわからないストーリー展開でおもしろかったです。

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感想

すっごくおもしろく読んだんですけど、つっこみどころの多いお話でした。
読み終えた後、レビューを読みあさり、自分と同じように感じている人がいるのを見つけて「そうだよね~!」とひとりうなずいたりしておりました。

喪黒福造との疑似恋愛

Addieに呪いをかけたLucは、Addieがスケッチブックに描いた理想の男性そのままの姿かたちをしています。長い間生きていて、自分のことを覚えて気にかけてくれる存在が彼しかいないこともあり、ふたりは不思議な絆で結ばれていきます。人間と、そうではないものとの、奇妙な情の結びつき。

Lucはあちらこちらで、魂を担保に人間と契約を結んでいます。黒づくめだし、人の弱みに付け込むし、まさに喪黒福造のような存在です。人の言葉の揚げ足を取って、変な呪いをかけるのも同じ。ドーン!!!
喪黒福造とは恋愛できそうにないけど、Lucは男前なので心細い時はフラッと心が揺れてしまいます。

以下ネタバレです。読んでもいい人は「+」を押すとネタバレ部分が開きます。

ここからネタバレあり

Henryもっとがんばれ

まず声を大にして言いたいのが、Addieのことを覚えていられるたったひとりの人間、Henryについて。

30前のいい大人なのに甘ちゃんすぎます。どこがいいのかわからない。
そもそも地の文で、いい年の彼を”boy”と呼ぶのもないでしょう、とも思いましたが、300年生きてるAddieからしてみれば人間全員お子ちゃまだろうから、甘ちゃんなのは許せるとして、もう少し好感度があがる人物造形であってほしかった(それとも著者の中では最初からAddieとLucの恋物語だったのか)。

それは愛なのか?

さて、そのHenryとAddieが恋愛関係を深めていくのと並行して、過去300年のあいだに起こったLucとAddieとの関係についても少しずつ明らかにされていきます。

長い時間の中で、Lucとはよい関係だったこともあるのですが、Addieは「Lucとの関係は愛ではない」と一刀両断。

で、もういっぽうのHenryとの関係は「愛です」と言い切るんですが、このあたりがどうも納得いきませんでした。

そもそも「自分のことを覚えていられる人間がひとりしかいない、その人だけが命綱」という状況で築かれる関係は、愛じゃないのでは?

Addieは彼女のことを愛していると言うLucに、愛とはおのれを犠牲にできること(だから私を呪いから解放しろ)、みたいなことを訴えますが、AddieがHenryのために起こした行動は、自己犠牲というよりはLucとのバトルの中の一手でしかなかったことがエンディングでわかってしまいます。結末のどんでん返しとしてはおもしろいけど、ふたりにある種の時間つぶしのネタとしてもてあそばれた形になってしまったHenryがちょっと気の毒になってしまいました。

記憶には残らないけれど

意地悪な仕打ちのあと、Lucが言った “Ideas are so much wilder than memories” という言葉に触発され、Addieは自分の存在の痕跡をアートの中に残すことをはじめます。

読み終えてみるとむしろ、後半のLucとHenryとの三角関係よりも、前半のAddieの奮闘のほうがずっと心に残っていました。記憶からは忘れ去られてしまうのに、何度も何度もはじめましてをやり直し続けるTobyやSamたちとの関係のほうが、Henryとのそれよりもむしろ印象深い。

ファンタジーはあまり得意でないのですが、今回は話題作だったのでお値段高めでも思いきって買って挑戦。
途中だれてしまったところもありますが、払ったぶんはもとを取らなきゃと読みきりました。

セールで買ったり図書館で借りたりすると、この踏ん張りがきかなくてDNF(Did Not Finish)しちゃうので、読了本は自然と新刊が多くなります。
なかなか最後まで読み終えることができないとお悩みの方は、好きな作家の新作を発売同時に買って、根性で読み切るのもおすすめです。邦訳が出るまでに読み切ることをゴールに設定してもいいと思います(私はこの手もよく使います)。

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おまけ:クレア・ノース

昨日、この本を読み終えた後、クレア・ノースのことを思い出しました。The First Fifteen Lives of Harry August(『ハリー・オーガスト、15回目の人生』)が代表作です。テーマが生きなおしだったり、人の記憶に残らない体質(?)だったり、テーマ的にはよく似た作品があります。

ちょうどお買い得価格になっているようなので、気になる方は今のうちにぜひどうぞ。

The Sudden Appearance of Hope(『ホープは突然現れる』)が132円(2/11)。

Touch(『接触』)が132円(2/11)。

最新作のThe Pursuit of William Abbeyが132円(2/11)。

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The End of the Dayが132円(2/11)。

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