アメリカに続き、今度はアマゾンジャパン(KDP)に翻弄させられた話



ブログを読んでくださるみなさまがたにおかれましては、先日私がアメリカアマゾンさんにあらぬ疑いをかけられ、国際FAXを送る羽目になったのは記憶に新しいことと思います。

アメリカAmazonでアカウントロックされたけど解除してもらえた話
先週の話ですが、商品を購入した際、いきなりアメリカAmazonのアカウントが停止処分を食らいました。…

いまだ動悸がおさまらぬ今日この頃(ウソ)、今度は日本のアマゾンさんまで疑いの目を向けてこられ、その対応にあたふたあたふた、イヤな汗をたくさんかいてしまいました。

この経験談が参考になる方は限られていて、①KDPでセルパブ ②好評を受けて紙書籍化した著者さんが対象です。

トラブル発生直後、即座にググりましたがまったく関連記事がヒットしなかったので、同じ道を後から歩む方々のために、ここにことの経緯を記します。

どなたかのお役に立ちますように。

きっかけはKindle書籍の情報修正

今回のバレットジャーナルの本出版のきっかけになった、『ちいさなくふうとノート術』です。

『「箇条書き手帳」でうまくいく』のレビューには、「Kindle本と重複が多い」というレビューがついていますが、重複率は高くありませんし、バレットジャーナルの運用方法については『ちいさな〜』の方には書いてないので、バレットジャーナルについて知りたい方はKDP本を買わずにピンクの方を購入されることをオススメします。(ピンク本のあとでイエローを読んだら、「重複多いな」と思われるかもしれません)

あ、話がそれました。

久しぶりにKDPの書籍情報編集ページを開き、『ちいさな〜』の情報更新をいたしました。

KDPで自主出版された方はご存知でしょうが、書籍情報を登録・修正すると、審査を受けなければなりません。価格の変更、タイトルや紹介文の小さな修正であっても必ず審査が入ります。

おおむねすぐに反映され、新しい情報での販売が再開されるのですが、今回ささやかな修正を行ったところ、審査のレビューが一向に終わらず、なんとも恐ろしいメールがアマゾンから届きました。

著作権所有の証明

アマゾンからのお知らせ」というタイトルで届いたメール。

開いてみると、「『ちいさなくふうとノート術』の著者または出版の権利を有する第三者であることを証明する書類を4日以内に提出せよ、さもなくば販売を停止、場合によってはアカウントを停止するよ」という内容の警告メールでした。

ちょうどKEMPの金額が確定する時期だったので、てっきりその知らせかと思い、はーい今月はいくらかなぁとヘラヘラして開封しましたが、読んでみてそれはもう、びっくり仰天いたしました。

そもそもKDPで自分1人で作った本なのに、どうやって自分で書いたことを証明すればよいのでしょうか。
リアルな私がネット上ではMarieであることも、あらためて考えてみると証明するのって難しそうです。

著作権に関する登録制度についてよくある質問 | 文化庁

自分に著作権があることを証明するために提出しなければならないのは、アマゾンからのメールによると次のような書類です。

– 著者で、出版の権利を別のひとに与えたけれどそれを取り戻した場合: 以前の出版者から権利が返されたことを示す署名済みの書類。
– 著者であり、かつ、ペンネームで出版している場合: ペンネームを使用した著作権登録証。

次のような書類は受付不可。

– 著者/著作権所有者の確認なしに、出版に関して必要な権利を保有されていることを申し立てる書類。
– 登録が完了していない著作権出願書類。

権利を有することを確認できない場合は、アカウントが停止される可能性がある。

メールの文面を読む限り、私以外の人に著作権があるにもかかわらず、私が販売を目論んでいる、という前提での警告に見えます。

いったい他に誰がこの本の著作権を持っている?と考えたとき、思い当たるのは『「箇条書き手帳」でうまくいく』のKindle書籍との内容重複です。

KDPでの出版の際にはブログ記事との重複でも引っかからず、紙書籍のKindle版が出る時も、何の問題もなかったので、まったく気にしていませんでしたが、ここにきてこのような問題が発生するとは。

出版社の編集者さんにも相談しましたが、特に出版社側には何の警告も来ていないようです。

対処

あわてふためきつつ、KDPから紙書籍化に至る経緯をすぐにメール返信しました。

2017年1月にKindle書籍出版。
その後2017年10月に大幅加筆して、ディスカヴァーさんから紙書籍電子書籍出版。
その経緯を書いたブログ記事へのリンク。

セルパブ書籍と紙書籍については、使用写真もほぼ全て撮影し直しているので、重複部分があるにせよ別書籍として考えていることなども説明しました。

結果

紙書籍出版後も、ありがたいことに『ちいさな~』のほうもコンスタントに売れているので、一時的にでも販売停止になるのは避けたかったのですが、結果的にはメールを送ってから約12時間後にあっさり審査通過となり、新しいバージョンでの販売が再開されました。

(審査中は販売停止にはなっておらず、修正前のバージョンが販売されます。)

一生懸命説明したメールについては、先方で確認はなさったのでしょうが、特に個別の対応はなされず、「販売を開始しました」という、普段と変わらない自動送信メールが送られてきただけでした。悲しい。あの激しい動悸息切れの責任をとって下さい。

原因の推測

審査時は、新規登録か修正かを区別していない?

これはあくまで推測でしかないのですが、KDPのページで書籍情報の修正をした際、特に「新規か・修正か」の区別なく、自動でデータのチェックがなされるのではないかと思えます。

書籍の内容が、別の書籍やネットにアップされている記事の内容と重複していないかどうか、ばーーーーっとスキャンされ、①ウェブにあがっているコンテンツとの重複率が高かった場合は、そのコンテンツの著作者である証明を求め、②既存のKindle書籍との重複率が高かった場合は、今回のように、「著作権がないのに出版しようとしているんじゃないの?」という疑いをかけられ、著作権または出版の権利を有する証明書類の提出を求められるのでしょう。

自動チェックからの自動メール送信?

あくまで自動的なチェックなので、どちらが先にAmazonに登録したかとか、アマゾン著者ページに2冊登録しているとか、そういうところの整合性を取らず、疑わしいものには一律確認メールを自動送信していそうです。

「こうした前提があるにもかかわらず、警告メールを送ってきたということは、なんらかの問題がすでに起こっているのかもしれない」と不安になっていたのですが、アマゾン側はそもそも、「こうした前提」の確認なしに自動で警告メールを送っているのでしょう。

出版社アカウントと個人アカウントは区別あり?

とはいえ、『「箇条書き手帳」でうまくいく』のKindle版を出版社が発売したときには何のトラブルのも起こらなかったようですから、出版社アカウントと個人アカウントでは前者の方がアマゾンからの信頼度が高く、逆も然りで、今回のように、KDP個人アカウントである私のほうに警告メールが来たのかなと思います。
(そもそも出版社はKDPを使わず、別のシステムで入稿するのかもしれないですね)

公的な書類は不要

警告メールの内容が非常にシビアで、公的な証明書類を出さない限り反論の余地がないものかとびびりまくりましたが、メール文面での説明であっさり解決できました。

証拠となるブログが私自身のものかという証明(「ブログが自分のものであるという証明が必要でしたら、このメールの文面と同じものをブログに掲載します」と書いて送りました)も必要ありませんでした。
それはそれで大丈夫なのかなと心配になりましたが。

今回の私のケースのようにKDP書籍と、それを元にした紙書籍のKindle版との重複率が問題なのであれば、同じような方法で解決できると思います。
ただその際、気をつけなければならないのが、「KDPで自主出版したものと大手出版社から紙&電子書籍として出版したものとが、ほぼ同じ内容だった場合どうなるのか」という点です。

今回の件で、アマゾンさんは、出版社から出た書籍には甘い対応、個人には厳しい対応であるような感じが見受けられたので、もしも「ほぼ同一」であることが知られると、KDPのほうの取り下げを求められることになるかもしれません。
規約をじっくり読んだわけではないので適当なことを言っています。ごめんなさい。そういう可能性もあるかもねと言う推測です。

というわけでKDPから紙書籍化した方、情報修正する場合は以上の点につきましてお気をつけ下さいませ。そして同じような経験をなさっている諸先輩のみなさま、何か他にご存知でしたら教えていただけると大変ありがたいです。

NHKのシブ5時で紹介されます

さてさて気を取り直しまして。

12月20日(水)のNHK夕方の情報番組、「4時も!シブ5時」のノート術特集で、バレットジャーナルが紹介されます。
本の中でノートを見せてくださっている方が登場されますので、どうぞお楽しみに!

「箇条書き手帳」でうまくいく はじめてのバレットジャーナル

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