去年の秋頃、Kindle端末で繁体字の入力ができるようになりました。
お、いよいよ来るかな、と思っていたら、来ましたね。
アメリカアマゾンのサイトに、繁体字書籍のカテゴリとポータルサイトができてます。
おすすめ商品に掲載されているのは、『三体』『嫌われる勇気』『ファクトフルネス』『マスカレードホテル』などなど。
簡体字版の書籍は、Amazon中国で大々的に売り出されてきましたが、一方、繁体字版はなかなか対応が進んできませんでした。
今年は、Kindle端末が公式には発売されていない香港や台湾の読者向けのサポートが増えてきそうです!
繁体字入力サポート
まずは時系列で順に説明していきます。
2018年秋のファームウェアアップデートで、Kindle端末で繁体字の入力ができるようになりました。
これまでは繁体字入力ができなかったので、繁体字での検索ができなかったんですね。
繁体字入力ができるようになり、繁体字でのメモ入力だけでなく、繁体字で書籍内ワード検索ができると同時に、Kindleストアで繁体字検索ができるようになりました。
Kindle端末には、多言語でメモを入力して保存しておくことができるのですが、キーボードの反応が遅いこともあって、あまり使っている人はいないんじゃないかと思います。
Kindleストアの検索も、実際のところは、スマホやPCから実行したほうが早い。
でも、書籍内のワード検索は、使ってみるとかなり便利です。このアップデートは、台湾や香港のユーザーにとってはとても嬉しいものになったのではないかと思います。
繁体字書籍の発売
そして今年の5月、繁体字書店がスタートしました。Amazonによると、スタート時点で20000冊の品揃えだそうです。
これからどんどん増えるのが楽しみです。
日本アマゾンでの繁体字書籍取り扱い状況
ざっと日本アマゾンでの繁体字書籍の販売状況を見てみたところ、アメリカアマゾンでは買えるにもかかわらず、日本のアマゾンでは取り扱われていないものがあります。
目立つところとしては、アメリカアマゾンで絶賛レコメンドされている、劉慈欣の三體です。
繁体字書籍ベストセラー1位なのに、日本ではKindle版が買えない。
無念です。
劉慈欣の作品のうち、日本アマゾンで買えるKindle繁体字書籍(簡体字書籍も)は、こちらの短編集。
流浪地球: 劉慈欣中短篇科幻小說選 (Traditional Chinese Edition)
アメリカアマゾンで英語の本を買うときにも、こういった地域外からの購入制限はよくあることなので、驚きはしませんが…。
住んでいる場所によって購入制限をかけなければならない売り手側の事情も理解できますが、売っているものが買えないというのは結構なストレスです。なんとかしてほしい。
とはいえ、買えるものももちろんたくさんあります。
日本でも大ベストセラーの『ファクトフルネス』の繁体中国語版。
真確: 扭轉十大直覺偏誤,發現事情比你想的美好 (Traditional Chinese Edition)
ちなみに簡体字版のKindle書籍は中国アマゾンで販売されていますが、こちらはアメリカアマゾン、日本アマゾンともに取り扱いがありません。
以下リンクはアメリカアマゾンの紙書籍販売ページ。
事实 汉斯·罗斯林
Kindle端末での繁体字書籍のユーザビリティ
『ファクトフルネス』繁体字版のサンプルをKindle Paperwhiteにダウンロードしてみます。
句読点が行のセンターライン上にありますね。
日本人から見ると不思議な感じですが、これで正解です。バグではありません。
繁体中国語の縦書書籍が販売されていないか探してみたんですが、見つけられませんでした。
ご存知の方がいらっしゃったらぜひ教えてください!
台湾は縦書きなので、きっと縦書きの方が読みやすいんじゃないかと思うのに。
日本語の縦書きが表示できているのだから、きっといずれ対応するんじゃないかと思っています。楽しみです。
簡体字書籍で利用できる、ピンイン表示、これが繁体字でも使えます。
これは繁体字を覚えるのに重宝しそうです。
繁体中国語の辞書は未対応。
そのうちアップデートで無料辞書が使えるようになるんじゃないかと期待してます。
わからない単語は、翻訳機能を使って推測することもできます。
KDPで繁体中国語書籍の制作が可能に
個人的にとても驚いたのが、Amazonが提供しているセルフ出版のシステム・KDPにおいて、簡体字を差し置いて繁体字での書籍制作が可能になったことです。
まだベータ版ですが、これは楽しみ。
繁体字を選ぶと、「縦書きはサポート外」と明記されています。
昨日読んだ本。
気軽に楽しめる旅行先、あるいは中国語学習者にとっては、大陸よりもとっつきやすいエンターテインメントとして、十分に知られている台湾ですが、それ以外の台湾のさまざまなことがらについて、あまりにも知らない自分に驚いています。