中国語翻訳勉強会・第10回訳と第11回課題



お待たせしました。第10回のみなさんの訳をご紹介します。

先週上海に遊びに行きました。
Michelleさんのエッセイの中に出てくる通りを歩きながら、時間を越えて当時の彼女と語り合うような気持ちになりました。

第10回課題

訳1
10.ラジオ
 昔、我が家にあった懐かしいラジオ。学校が終わって家に帰るなり、カバンをソファーに放り投げ、すぐにラジオのスイッチをひねって、洗ったリンゴを勢いよくかじったら、甘い果汁が指についちゃったり、口の周りもベトベトになったっけ。夕日が地平線を赤く染めるのをベランダにもたれかかって見るのは、この上もなく楽しいひとときだったな。当時ナンバーワンパーソナリティーの小雪さんのことは今でも忘れてないよ。
訳2
10.ラジオ
懐かしい前の家のラジオ、以前は放課後帰ってくるとすぐ鞄をソファーに放り、好きにラジオのスイッチを付けた。リンゴを洗ってかじると、甘い汁が指に垂れ、唇にまとわりつく。バルコニーに伏せって落ちていく夕日が地平線を赤く染めるのを見る。これより幸せな時間はないだろう。あの時一番好きだったパーソナリティは小雪さんだったのを覚えている。
訳3
ラジオ

昔住んでいた所のあのラジオを懐かしく思い出す。昔、学校が終わって家に帰るとカバンをソファーの上に投げ、すぐにラジオのスイッチを入れる。それからリンゴを一つ洗い、おもむろに噛りつき、甘い果汁が手の指に滴り、口の中いっぱいに広がる。ベランダに腹ばいになって夕陽が降り注ぎ茜色に染まった地平線を見ながらラジオを聞く。一日の中でこれ以上ないぐらい一番楽しかった時間だ。確か当時一番好きだったパーソナリティは小雪(シャオシュエ)さんだった。

訳4
10.ラジオ

懐かしい昔の家のあのラジオ。放課後、家のドアを開けるやいなやカバンをソファーに放り出し、ラジオをつけていた。リンゴを洗って丸かじりする。甘い汁が指にしたたり、唇の端を濡らす。そして、ベランダの手すりに寄りかかって夕日が地平線を赤く染めていくのを眺める。1日で一番楽しい時間だった。そういえば、当時は小雪っていうパーソナリティーが好きだったな。

訳5
10. ラジオ
以前住んでいた家の、あのラジオを懐かしく思い出す。昔、学校が終わって家に帰るなり、かばんをソファーの上に放り出すと、ラジオをつけていた。洗ったリンゴにがぶりとかじりつくと、甘い汁が指へと伝い唇とぐっしょりと濡らした。ベランダに腹ばいになって、降りそそぐ夕陽が地平線を赤く染めるのを見ていた。一日のうちこれほど楽しい時間はほかになかった。あのころ一番好きだったラジオパーソナリティは、雪ちゃんという名前だった。
訳6
10.ラジオ
昔の家のラジオを懐かしく思う。学校から帰りカバンをソファーに放り投げると、すぐにラジオのスイッチを入れた。洗ったリンゴをガブリとかじり、甘い汁は指をつたい唇を濡らした。ベランダで腹ばいになり赤く染まりゆく地平線を眺める。これ以上に一日でもっとも楽しい時間があるだろうか。その当時一番好きだったパーソナリティーは小雪だった。
訳7
ラジオ

昔住んでいた家のラジオが懐かしい。当時は学校から帰り、玄関のドアを開けるとカバンをソファーに投げてすぐにラジオをつけたものだ。りんごを洗ってがりっとかぶりつくと甘い汁が指にしたたり口角を濡らした。それからベランダに寝転び夕日が地平線を赤々と染めるのを見ていると、この瞬間こそが一日でいちばん満たされた時間だと思っていた。当時大好きだったDJは小雪という名前だった。

訳8
10.ラジオ

昔の家のあのラジオが懐かしい。
学校から帰ったらカバンをソファーに投げ出して、すぐにラジオをつけていた。林檎を洗ってガブリとかじりつくと、甘い果汁が指をつたい、唇をぬらす。ベランダにもたれて夕日が地平線を赤く染めていくのを眺めるのが、一日の中で何より幸せな時間だった。あの頃いちばん好きだったパーソナリティは小雪という名前だったのを憶えている。

訳9
10. ラジオ

古い家にあったラジオが懐かしい。あの頃は学校から帰るとカバンをソファーに放り投げ、ラジオのスイッチをひねったものだ。そして洗ったリンゴにかぶり付く。その甘い汁は指をつたい、口の周りを濡らす。ベランダに寄りかかって夕日に染まった地平線を眺めるのが、一日で最も幸せな時間だ。お気に入りのDJは小雪。

訳10
10.ラジオ
古い家にあったラジオが懐かしい。昔学校が終わって家に帰るとかばんをソファーに放り投げ、ラジオを付けて洗ったりんごを思いっきりかじった。甘い汁は指をつたい、唇の端を濡らした。ベランダに腹ばいになり夕焼けに赤く染まる地平線を眺めた。一日でこれ以上ないほど幸せな時間だった。当時最も好きなパーソナリティーは小雪という人だった。

メモ

過去の思い出話なので、全部過去形で訳してしまいそうになりますが、語尾が単調になってしまうので工夫が必要だなと感じました。

一文が長~いので、句点を足した方が自然な流れで訳せそうですね。

それから、”趴在阳台”。
訳が2つに割れましたね。どっちがいいでしょう。

第11回課題

さて、第11回の課題はこちらです。

中国語翻訳勉強会

今回は長めなので、第11回の締め切りは4月22日日曜日とします。

はじめてのかたは、初回の注意事項(↓)をよく読んで投稿してくださいね。

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