Hatching Twitter 読了



Twitterの創業者たちのものがたり。

Kindle版が2種類あるのですが、装丁はこの黒い方が好きです。

この本の醍醐味はタイトル通り、Twitterが孵化する瞬間を彼らと共に追体験できるところにあると思います。その頃の自分がどんな生活をしていたか、いつごろTwitterを使い始めたか、自分自身を重ね合わせながら。

今はあまり見かけることのなくなった、小鳥に運ばれるクジラのイラストについてのエピソードや、ハッシュタグがオフィシャルな機能として追加されていく様子など、懐かしく読みました。

最初は「help people feel less alone」なツールであったTwitterが、徐々に開発者たちの予想を超えた、枠にとどまらない機能を持ち始めます。

Twitterが世の中に生まれ出て、果たしていく役割についてしみじみと考えさせられました。

最初はドキドキワクワク、スピーディーに読んでいましたが、中盤から彼らの子供っぽさに辟易して、中だるみしてしまいました。

コロコロと入れ替わるCEO、Twitterというサービス自体はどんどん大きくなっていくのに、一向に成長の感じられない社内の様子。

中盤あたりでは「内部騒動を明らかにした、ただの暴露本なのか?」と疑っていましたが、4人それぞれの今を描写したエピローグを読み終えて、著者の4人に対する暖かい眼差しにちょっとじんとしました。

いくつか印象に残った部分をピックアップ。

Campbellという名の、シリコンバレーでは有名な老人にEvが尋ねた“What’s the worst thing I can do as CEO to fuck the company up?”という問いに対する答えが最高でした。それは確かにそうかもしれない。

半年もの間、地球を離れて無重力空間で過ごす宇宙飛行士に、地球からTwitterを通じて「宇宙での暮らしはさみしくないですか」という質問が投げられた。
宇宙飛行士からは、こんな答えが返される。
“Loneliness is not so much where you are, but instead is your state of mind. ”

Twitterから離れたNoah、Twitter誕生時には人一倍その「寂しさを癒やす」性質に惚れ込んでいた彼がこの本のエンディングで見つけたものを、私もまた忘れてはいけないなと思ったのでした。

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コメント

  1. Tokentoken より:

    買おうと思いましたがこの2冊はなにが違うのでしょう?

    • Marie より:

      Kindle版はたまにこういう装丁違い、価格が違うバージョンがありますが、多分内容は同じだと思います。