TENET(テネット)観てきました(2回目追記・ネタバレ考察あり・ニールの話も)



クリストファー・ノーラン監督の『TENET』、観てきました。

前情報をできるだけ見ないようにして行ったので(ノーラン作品ということと、時間逆行がテーマということ以外まっしろ)、チンプンカンプンでしたが、十二分に楽しめました。

音響もすごかった。内臓にズンズンきました。

観た後で「とにかく何か言っときたい!」と思った映画は久しぶりなので、備忘録がてら書いておきます。

後半はネタバレ満載なので、まだ観てない人は読まないことをおすすめします。
一度しか観てないので、何の根拠もない考察がほとんどです。

【追記】
2回目見てきました。パンフレットも買いました。
後半スタルスク12の戦闘シーンは、音楽で順行か逆行かがすぐにわかっておもしろかった。

1回目より2回目の方が楽しい、という人もいるけれど、私は1回目の方が印象深かったです。

2回目観賞時は、逆行で動いている人たちが目に入るたび、(ああ、あのひとたちコントみたいに一生懸命逆再生で動いてるんだな…可笑しい…)という気持ちになって集中できませんでした。

キャスト

キャストすらもノーチェックで行きました。

主人公役はジョン・デヴィッド・ワシントン、デンゼル・ワシントンの息子だそうで。

相棒ニールは、ロバート・パティンソン。わたし的にはハリポタのセドリック役で記憶していますが、おとなになりました。
ハリポタといえばフラー役のクレマンス・ポエジーも出てます。

大好きなスパイ映画、『コードネーム U.N.C.L.E.』でものすごく印象深かったエリザベス・デビッキも出ています。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックスでの金ピカアイーシャもよかったですが、今回の儚げだけど芯の強い役柄も素敵でした。

コードネーム U.N.C.L.E. アマプラで見れます!

『イエスタデイ』で主役を演じたヒメーシュ・パテルも出てました。『イエスタデイ』でのキュートなイメージが抜けなくてつい肩入れしてしまい、「お願いだから死なないでね」って画面に出てくるたび祈ってました。

イエスタデイもアマプラで見れる!

あと、後半出てくるアイブスは『キックアス』のデイヴ、『アベンジャーズ』のクイックシルバー役のアーロン・テイラー=ジョンソン。すごい存在感がありました。

あと、ケネス・ブラナー、マイケル・ケイン。

主人公より脇役の方が存在感が大きすぎる映画でした。まあ、主人公には名前も与えられていないしね。

タイムラインマップ

主人公たちのタイムラインをマップにしてくださった方がいます。

Tenet Character Timeline – My first attempt to map the main characters of Tenet through time and space from r/tenet

これ見ながらずーっと考えてます。楽しい。

タイムラインを整理してみる

観ている時のドキドキはもちろん、観た後の謎解きタイムが楽しかったです。

redditのネタバレ考察スレを参考にしつつ、タイムライン整理してみます。

キエフのオペラ劇場

主人公を助けたのはニール。
オレンジのひもとコインがバックパックについてる。
この日と、スタルスク12での爆発、ベトナム・クルーズ船での出来事の発生は同日。

ムンバイ

主人公にとってはニールと初めて出会う。
「ダイエットコーク」「ソーダ水」の会話。
おもしろ侵入経路(”Bungeejumpable” by Neil)にて、武器商人の妻プリヤと会う。

ロンドン

マイケル・クロスビー卿からSatorの経歴について聞く(スタルスク12)。
Maxの学校前にいるKatとMaxを初めて見る主人公。
このシーンとエンディングのシーンが同じかと思ったけど違う様子。Katの服が違う。

オスロ

タックスヘイブンの荷物保管所にアレポ贋作をとりにいく。
飛行機を建物に衝突させて火事を起こす(無茶)。金塊バラまく。
主人公、出くわしたSWATと格闘。(★)

イタリア

主人公、贋作を処分したと偽り、Katと再会。Satorとの面会を取り付ける。
レストランにて主人公、Satorにキエフの事件についてほのめかす。

Katにヨットから突き落とされたSator、主人公に救われる。
夜、誰かがSatorに殴り殺される。金塊で。なんでだっけ?ふところに金塊入れて盗もうとしてたから。

金塊は未来から時間を逆行して送りこまれたものかな。わからない。

タリン

主人公とニール、Satorの手に渡る前に、プルトニウム241(ほんとはアルゴリズム)を強奪する計画。

ニールのネクタイの結び方が変なのに2回目で気づいた。
去年旅したタリンなので、背景が気になって1度目は集中できなかった。

SatorとKatはROTAS倉庫にいる。Satorが武器商人であると暴露。Kat、蹴られて意識を失う。

ニールと主人公、消防車ほかを使い、走行中のトラックからプルトニウム強奪成功。

主人公、無線傍受するが聞こえてくる音声が逆行している。
主人公「エストニア語わかるんだろう?」
ニール「声が逆再生されてる」

SatorのSUVが逆行状態で現れる。Satorは酸素マスクをしているけどKatはマスクをしてない(逆行してない)。

(Satorは逆行なので、Kat助けられる、Katが降りる前の車に乗る、オレンジのケース受け取る、「1,2,3」の指サイン、Katはどの時点で乗った???)

順行の主人公はオレンジのケースだけをSatorに向かって投げる。中身は逆走サーブへ。
Satorは車を降りるが、Katは止まらない車の中につながれたまま。
BMWからSUVに乗り込んで、ブレーキを踏みKatを救う主人公。(ニールどんな顔してたっけ?)

銃撃戦、結局Satorの部下につかまる主人公。

倉庫内、赤と青の部屋。赤が順行、青が逆行。
主人公は赤の側、SatorとKatは青の側に連れていかれる。Satorはマスクなし、Katはマスクしてた気がするけど覚えてない。どっちともマスクしてた。

青のSatorの言葉は逆再生されていて主人公側からは聞き取れない。こちら側に翻訳機がある様子。

プルトニウムをどこに隠したか言わないとKatを撃つと脅すSator。Katの腹を撃つSator。
(逆行側ということは、最初に撃っておいて脅迫したということ?カーチェイスのあと、つかまるふたり。SatorはKatと逆行側に出たあと、すぐKatを撃ち、ガラスの向こうの主人公たちを尋問し…???)

赤の部屋側に現れる順行のSator。
主人公から隠したもののありかを聞き出す。
主人公、「さっき言っただろう」
突然なだれこむ救出部隊に助けられる主人公。

回転扉をくぐり、青の部屋側のSator。さきほど赤の部屋側から見ていた光景(Kat撃たれる~)がふたたび逆順に起こる。

アイブス登場。ニールがはじめから知っていたことについて。すべてプリヤの指揮下にあることについて。
目の前で起こったSatorの行動は、「時間のはさみうち」と説明を受ける主人公。

順行側の人間が逆行弾に撃たれると、放射線の影響を受け致命傷になるので、ニールと主人公はKatをストレッチャーに載せたまま回転扉を通って赤から青の部屋へ移動し、時間を逆行しながらオスロへ向かい、オスロの回転扉を利用して順行に戻るという計画を立てる。そうするとKatの傷は治るらしい。はてな。

主人公は外に出て、逆行状態で車を運転し、さきほどのカーチェイスの現場に戻ります。
逆行の主人公、道端に開いて落ちているオレンジ色のケースの中に発信機を装着。

今度は過去の順行主人公が、現在の逆行主人公の乗る車の中にものを投げ込む。
ここもう一回頭を整理して観たい。落ち着いてみたらよくわかった)

最接近した時点で、逆行Satorに目撃される逆行主人公。たぶんここでバレた。せっかくウソついたのに。

横転する主人公(逆行)の車。近づくSator(逆行)。Sator、こぼれたガソリンに火をつける。車は燃え上がるが、熱が反転したおかげで主人公は助かったものの、低体温症に。モノはSatorの手に渡る(いつ?)。

主人公たちは、逆行していても酸素マスク不要のコンテナ(もともとSatorのモノ)の中にいる。オスロ行きの貨物船の中。

「祖父のパラドックス」について。ニールの専攻について。数日が経過したことがうかがえるカット割り。ごはんどうしたんでしょうね?

オスロ

オスロに戻ってくる。
爆風で吹き飛ばされ、シャッターのすきまから屋内に入る主人公。
過去の主人公と取っ組み合いする逆行の主人公。(★)
回転扉を通って順行に戻った主人公、今度はニールと鉢合わせ。

回転扉を通って順行に戻るニールとKat。

プリヤと再会する主人公。(ふたりはこの時点でもう認識があるはず)
アルゴリズムを発見した女性科学者は、世界の破滅を回避するため、アルゴリズムを9つに分け、過去に隠した、という説明。
プリヤの話によると、女性科学者のエピソードは何世代もあとに起こることなので、女性科学者=バーバラ説はなさそう。

Satorはスタルスク12で、9個揃ったアルゴリズムを爆破で埋めようとしていること。
これを阻止するためにシベリアに向かうアイヴスの率いる部隊と合流するよう主人公に指示するプリヤ。

(逆行し、キエフのテロと同日に起きたスタルスク12の爆破時点に向かう主人公たち・船の上)

Satorの“dead-man switch”について語るKat。Satorは末期癌で余命いくばくもない。
自殺することでアルゴリズムを発動させ、世界と心中しようとしている。
Satorはいちばん幸せだったベトナムの船の上に戻るだろう、とKatは言う。(ここ納得いかない)
この時間・地点に戻るKatの役割は、アイヴスたちがアルゴリズムを確保するまでSatorの自殺を思い留めること。

アイヴスの部隊の半数が船上の回転扉を利用して順行と逆行に分かれる。

Katと別れる主人公。電話を渡す。(この電話の意味がわからない。いつの誰につながる?)

スタルスク12

(順行主人公とアイヴス)
①トンネルから爆心地内部に入る
②仕掛けられていた爆弾によりトンネルが塞がれる(主人公たちの出口がなくなる)
③爆心地鍵のかかった扉の向こうにアルゴリズム持った敵と横たわる死体(オレンジのひもつきリュック)
④死体、檻の向こうで立ち上がって敵の銃弾(主人公に向かう)を受ける
⑤生き返った死体、鍵を開けて主人公たちを中に通し、どこかへ。
⑥主人公、アルゴリズムを確保し、上から垂れたワイヤをつかんで地上へ

(逆行ニール1)
②の爆弾が仕掛けられる様子を目撃し、順行に戻る

(順行ニール)
逆行から順行に戻り、トラックに乗り①の主人公たちに知らせようとするが間に合わず。
そのままトラックで丘の上へ。ワイヤを下ろし、トラックでワイヤを引く。
爆発。主人公たちを引き上げ成功。
主人公との別れ。

(逆行ニール2)
⑥爆発前、主人公たちがワイヤをつかんで逃げる前の爆心地内部へ侵入(どうやって?)
⑤扉の外からあらわれ、主人公たちのいる扉の内側に入って扉を閉める。主人公たち、扉の外へ出る
④敵と主人公の間に立ち、敵の銃弾を受ける
③死んじゃう

ベトナム・船上

KatとSator。
逆行して戻ってきたSatorは、目の前にいるKatは下船して自分のもとを去った過去のKatだと思っているが、実際は腹部に傷を負うKat。
床にクリームをぶちまけてぬるぬるにして準備万端のKat。
Satorを撃ち、船から海へ飛び込むKat。

校門前

マックスの通う学校の校門前。
Kat殺害を目論むプリヤ。自分が黒幕であると言い、プリヤを殺す主人公。
去っていくKatとMax。

感想

観客を置いてけぼりにしないように、要所要所で丁寧に説明されているなと感じました。
最初の1時間くらい、ほぼ説明だったんじゃないだろうか。科学者バーバラとか。
後半は置いてけぼりにされるけど、最初にバーバラが言ったように、”try not to understand it” 精神で観る方がいいのかもしれません。

観てる瞬間はわからないものも多いんですけど、「あれはそういうことか!」と納得できるところも多い。

時間を逆行して特定の時点に戻ったひとたちがマスクをしていないのは、回転扉を通って順行状態に戻るから。

SATOR式回文(SATOR AREPO TENET OPERA ROTAS)が随所に散りばめられてておもしろかった。
TENET自体も、後半の「10分」と関連ありますよね。

納得できないところもたくさんあるんですけど。
Satorの最後の瞬間がなぜあそこなのかというところ、説得力が全然ない。
あと、カーチェイスの場面のSatorの動きについて考えると、頭が混乱する。

解けない謎

観た人たちの考察を見ても、わからないところを箇条書きしておきます。
忘れないうちに。

・主人公が冒頭で服用したCIAのカプセルと、Satorの持ってたカプセルは同じということに意味がある?(2回目見て、SatorはTENETの合言葉も知ってたし、CIA内部についても詳しかったのかも、と考える)
科学者バーバラとアルゴリズムを発見した女性科学者との関連性これはなさそう。
・SatorがKatを撃った時の状況
・なんで主人公はニールに「エストニア語できるだろう」って言ったの?
・「自由意志(free will)」

全体を逆回しで観てみたい。

TENETにおける時間の方向性について

順行と逆行についての理解、私はSF小説をたくさん読んでいるせいか、すんなり頭に入ったんですけど、ここで混乱すると映画全体がわかんなくなっちゃいますね。

ひとりの人生は、1本のひもみたいに、はじまりの端っこと終わりの端っこがある。
ふつうはひもはまっすぐ時間を進むので、直線のはずなんだけど、この映画では回転扉を通ることで、自分の人生における時間の逆行と順行を操作できるようになる。

1本のひもが、回転扉を通ったところをポイントにして、反対方向にくにゃっと曲がっちゃうんですね。

ひもが時間の進行方向とは反対に向かってるときは酸素マスクがいるけど、時間をさかのぼってある時点でもう一度回転扉をくぐったら、ひもがまた反転し、進行方向が時間の進行方向と同じになる。この状態だと、酸素マスクは不要。

ひもが重複してる時点では、ひとりの人間が複数存在してることになります。
1本のひもは、分岐したり合流したりしないので、さかのぼった過去で死んでしまっても、それ以前の存在が消えてしまうことはありません。

ある時点では同一人物が複数人存在することになる問題については、1本のひもとして見ると、混乱しなくてすむと思います。

ニールについて

NeilはKatの息子説について。

Neil=Max(Maximilien)。
ニール役のロバート・パティンソンがわざわざMaxと同じ金髪に髪を染めている。

これは真偽を確認できていないんですが、エンディングのKatとMaxの後ろ姿のシーン、Maxのリュックに例のオレンジのひもとコインがぶらさがっているという話もネタバレスレにありました。(2回目、目を凝らしたけど見えませんでした。)

とはいえ、1時間戻るのに1時間を逆行しなければいけないことを考えると、NeilがMaxであれば、10~15年は時間を逆行しないといけないことになります。

物質をエントロピー減少させて、物質だけで時間逆行できるとして(Satorが発見した金塊と手紙はその手で送ったんですよね?)、劇中に出てきた、特注酸素で満たされたコンテナのなかで、仮に十数年を過ごすとして、逆行中の酸素は送れるとしても、食べものって送れるのか? とか。

10代のMaxにそこまで決意させるのって、母親のKatとしてはどうなの? とか。

いろいろ考えます。

ひと晩あれこれ考えて、ニールがマックスだったとしても、未来の主人公が近い過去を訪れてニールをスカウトしたのだとしても、いずれにしても、ニールはあの時点ですでに(彼にとっての過去において)未来の主人公の死を看取っていたんじゃないかなと思いました。

オスロに向かう船のコンテナの中で、ニールはすごいわかってるっぽく「寝ろ、まずは寝ろ」って言ってましたよね、なんか楽しそうに。逆行の旅には慣れていそうな雰囲気でした。

どこの時点の未来からかはわからないけど、主人公ほか複数の人間が、ニールと一緒に長い時間の逆行をともにしたんじゃないかな、と妄想しています。
そして主人公は時間の旅の途中でニールを助けるために亡くなってしまった。

ループを閉じるためニールは、過去に一度主人公と生き別れていて、そして逆行して訪れたあの日のムンバイで、若く無知な主人公とふたたび出会う。
主人公は、スタルスク12のあの時点でニールを見送ってから、ふたたびニールと人生をともにする。

特に根拠があるわけではなく、最後のシーンを自分に納得いかせるための考察なんですけど。

ニールが爆心地に戻るためには別のルートを確保しなければならないので、別れたあとのニールは、すぐ地下に向かうのではなく、もう少しやるべき仕事が残っていそう、とも思います。キエフにも行かなきゃいけないし(こっちはもう行ったあとでした。2回目で確認)。

主人公との別れのあとから実際に地下に下りるまでに、ニールは何度も逆行と順行を繰り返すのかもしれません。

もう一回観に行くかどうかは微妙なんですが、DVD出たら買って飽きるまで観たいと思います。