マダガスカルの旅

さて。南半球1周の旅、続いての寄港地はマダガスカルです。

アフリカ大陸の近くにある島です。ちっちゃく見えますが日本の国土面積の約1.6倍あります。六大陸を除いた世界で4番目に大きな島。他の大陸と分離してからの期間がとっても長いので、野生生物種の90パーセント以上が固有種ということでよく知られていますね。

マダガスカルと聞いて頭に浮かぶのはやっぱりこの映画。

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寄港するトアマシナは、東海岸に位置する最大の港湾都市。
今回はここに一泊し、2024年を送り、2025年を迎えます。

トアマシナ(Toamasina)

オプショナルツアーで飛行機に乗りバオバブ街道を見に行くのがここでの目玉イベント。
人数限定オプショナルツアーに参加しない/参加できなかったひと、自力でどこかに行かないひとは、二日間をここで過ごします。

滞在時間は長めですが、道路事情がよくないので都市間移動にすごく時間がかかるのと、万が一出港までに帰船できないと困るので、遠出はあきらめて近場でうろうろすることに決めました。

マダガスカルの商業首都ということで、地元のマーケットを歩きたい。

最低限のマダガスカル語を覚えます。

ツィミスィ no thank you
サラーマ hello
ファルーマ good bye
ミサウトゥラ thank you

トゥクトゥクに乗ってバザールへ

下船後、歓迎の踊りをありがたく鑑賞し、市街のほうに歩いて行くと、ゲート付近にはトゥクトゥクが山のように待ち構えています。

交渉成立(案の定、あとでもめるのですが)して、まずは銀行のATMに行き、カードで200000アリアリをキャッシング。
街路に面したATMだったのでドキドキしましたが、警備員らしき制服を着た人に囲まれていたおかげか何事もなく完了。

観光向けでない地元の人たちが利用することが多いバザールケリーへ向かいます。

バザールケリー

トゥクトゥクには二種類あって、エンジンのついた三輪車と、プスプス(pousse-pousse)とも呼ばれる人力の自転車タイプがあります。

バザール周辺はまるで河の流れのように、たくさんのプスプスが道路いっぱいに走っています。
大晦日だから、ごちそうの準備もあって、もしかしたらふだんより人出があるのかも。

自転車メインの交通、舗装されていないぬかるんだ道、掘っ立て小屋が寄りかかってぎゅうっと密集した市場。
20代にアジアをうろうろした頃を思い出す光景です。

到着し、トゥクトゥクを降りて支払おうとすると、10倍の値段を吹っかけてきました。やっぱりね。
相手より大きな声で言い返して、もともと合意した額より高いけれどもまあ許容限度かなという金額を押しつけて取引完了となりましたが、もやもやとした気持ちが残ります。

なけなしのお金で貧乏旅行してる若者ならともかく、あんな大きな豪華客船に乗ってやってきて、私は何をやっているんだ…という苦い気持ち。

トアマシナでは小さい子どもの姿を本当によく見かけました。
お年寄りよりも乳幼児の方が多いのではと感じるくらい。
当然のように働いているこどもの姿があり、市場の野菜かごの後ろのゴザに、乳児が寝転がっているのをしょっちゅう目にしました。

みんな何かをおいしそうに食べている。
ひとりだったらこういうところに座っちゃうのですが。

パイナップルの山。

青果やお肉はもちろん、生活用品や木工家具、電気部品などのお店もひしめいていて、地元の市場の雰囲気を満喫しました。

ランチ

ランチは事前にチェックしておいたマダ料理レストランのVerre à Soi。

エアコンもあって、お店の内装も素敵で、ホッとひといきです。

メニューを見てもさっぱりどんな料理かわからないので、Googleマップのメニュー写真をみせながら、エビのココナツ煮ライス付きとゼブ牛の煮込み(ピスタチオソース)、エビ焼きそばを注文。

注文してから料理が出てくるまで1時間はかかりましたが、大満足です。

ゼブ牛は骨付きでとてもやわらかく煮込まれてます。
ピスタチオソースは予想外の激辛仕様でした。

エビのココナツ煮はやさしい味で最高。
エビもたっぷり入ってます。
エビ焼きそばはもともと中華料理なのでしょう。なじみのあるマイルドな味付けであっさりして食べやすい。

私達が食べているところに同じ船の香港チームもやってきて、私たちのテーブルを見ながら「おいしそうねー!」と同じ料理を頼んでいて、思わぬ交流ができて楽しかった。

スーパーマーケット

季節が関係しているのか、通年なのか、よく晴れていたのに突然の激しいスコールが間欠的にやってきます。

ホテルのカフェでドリンク休憩をしたり、パティスリーであまやどりがてらアイスを食べたり、雨の合間にぶらぶら歩きを楽しみながらスーパーマーケットに向かいます。

スーパーではお菓子やビールを買いました。
お菓子は中国産が多かった。

こちらは観光客向けのバザールBeに近いからか、周辺に物乞いがとても多く、私たちへ向けられる視線もやや鋭い。

バザールBe

続いては、観光客向けのお店が多いというバザールBeに向かいます。

クルーズ船乗客でごったがえしています。
雨足も強くなり、建物の中は高温多湿で息苦しいくらいです。

手工芸品がメイン。
覚えた「ティミスィ(No thank you)」が役に立ちました。

地元の人も利用していそうなエリアは観光客がいないのでちょっと息がしやすい。

木彫りのバオバブの置物をひとつ買いました。
何が売られていたかよりも、商品棚の下の隙間のほぼ地べたに女の人が横になって、生後半年にもならない乳児にお乳をやっているような場面ばかりが目に入り、心に残っています。

イブルイナ動植物公園

翌日は船のオプショナルツアーに初参加。
ミニバンに分乗し、海岸線を北上します。
元旦なので通りに人がいません。
(元旦はお店も休みになりそうだったので、前日ではなく元旦のツアーを予約しておいて正解。元旦はレストランもスーパーも軒並みお休みでした。)

だんだん道が悪くなり、ついに未舗装になり、あなぼこだらけの道を1時間ほど走ります。

道沿いに葉っぱ葺き屋根の掘っ立て小屋が続きます。
大人よりも子どもの姿を多く見かけます。

船のスタッフがきゃっきゃと手を振り、道端の子どもたちがそれに無邪気に手を振り返すのをほほえましいと思いながらも、彼らの存在やレスポンスを娯楽的に消費しててほんとにいいの?とモヤモヤしたりもします。そのモヤモヤはすべて自分にするどく向かってくるので、なかなか苦しいです。

パンガラーヌ運河に続いていくラグーン。

動物園の動物は、もしかしたら種の保護の目的もあるのかもしれませんが、この広大な自然の中、あまり大きくないオリの中で暮らしているので、見ていてちょっとしんどかったです。

植物の説明がもっとほしかった。
ジャックフルーツはわかった。

トアマシナビーチ

海のきれいさより、海岸に放置された座礁船の方が強く印象に残りました。
このあとアフリカ南米と旅するうちに、すっかり見慣れていくのですが…。

カリプソホテルでランチ

お正月のお祝いでにぎわう独立大通りをぶらぶらしたあと、前日も立ち寄ったカリプソホテルでランチ。

マダガスカル料理の前菜プレート、ゼブ牛のラップサンド、ゼブ牛ステーキ、ビール、ココナツプリン。
フランス植民地だった影響もあるのか、昨日のレストランといい、料理のクオリティが高い。

でも料理が出てくるまでの時間はまた1時間。マダガスカルの時間の流れ。

散策

Vavatiana公園の大きなガジュマルの木を見に行きました。近くに博物館がありそうだったけど見つけられず。

海岸を散歩して帰船。

おそらくは自分のバイオリズムの問題で、もの珍しさや手に入れる楽しさにフォーカスできず、マダガスカルの抜けるような青い空も美しい夕焼けも、年越しの夜に遠くの岸に上がった花火も、誘われてチャイニーズと年越しそばを一緒に食べた浮かれた時間も、すべてにものがなしい色合いのフィルターがかけられて、思い出ボックスの中に格納されました。

それもまた、旅のひとこま。

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