中国語翻訳勉強会・第8回訳と第9回課題



今回は早めの更新ができました!

はじめて参加してくださった方も、何度目かの参加の方も、投稿はしていないけど更新を楽しみにしてくださっている方も、ありがとうございます!

今回は時間がなくて、もう少しねばっていい訳を探す時間がほしかった。

今、翻訳についての本を読んでいます。
例題があって、訳例があって、説明があって。
ただ読むだけでも、「ふーんなるほど」と、得るものはあるのです。

でも、いったん立ち止まって自分で例題を訳してみると、そのあとの訳例を見たときの学びの多さが全然違います。

みなさんもぜひとも、一度自分で訳してみて、それからじっくりと、参加者のみなさんの訳を読んでみてください。

第8回課題

訳1
8.薄明りに手を伸ばす

昨日の夜10時半に白塔空港に着いた。飛行機の窓越しに何機か飛行機がひっそりと停まっているのが見えた。飛行機を降りる瞬間、四方八方から風が吹きつける。肌がキュッと引き締まり、思わず襟をグッと引き寄せた。
顔を上げると低い位置に上弦の月があった。とても低く、押されたように地平線の上に。低すぎて、手を伸ばせば月の薄明りに手が届きそう。夜の空はことのほか冷たく澄み渡り、ただ星が一つ輝いていた。
これが私のフフホトの第一印象。寒い。そして空が低い。

訳2
8.ほのかな光に手を伸ばす

昨夜十時半に、飛行機は白塔空港に到着した。駐機場にひっそりと数機の飛行機が並んでいるのが窓越しに見える。飛行機を降りたその瞬間、風が四方八方から吹きつけてくる。肌が粟立ち、思わず襟元を寄せる。
空を見ると上弦の月が低く空にかかっているのが見えた。低く低く、地平線すれすれに。あまりに低いところにあるので、手を伸ばせば淡い月光をつかみとれてしまいそうだ。夜空はことのほかすっきりとして、星がたったひとつ、ぽつんと明るく輝いている。

これがフフホトの第一印象。寒さ、そして低い空。

訳3
昨夜10時半、飛行機がフフホト白塔空港に到着した。窓越しに、飛行機が数台駐機場にひっそりと停まっている。飛行機から出た途端、風が四方八方から押し寄せてきた。皮膚が一瞬で引き締まり、思わず服を強く握りしめた。
見上げると低い位置に上弦の月が見える。地平線近くに押さえつけられているかのようだ。あまりに低く手を伸ばせば薄暗い月光を一筋つかめる。夜空は格別に清々しく、星がぽつんと1つ、きらきらと光っていた。
フフホトの第一印象。寒い。空が低く垂れ下がっていた。
訳4
8.手を伸ばして黄昏を抱く
昨晩十時半に飛行機は白塔国際空港に着いた。飛行機の窓からは、駐機場に寒そうに停まっている飛行機達が見える。機体から出たその時、四方八方から風が吹いてきた。一瞬で皮膚が張り詰め、服をしっかりと抑えることになった。
顔を上げると上弦の月が目に入り、低く低く地平線に押し付けられていた。手を伸ばせば月光の薄明かりを両手に掬えるくらいの低さだ。夜空はことのほかすがすがしく、ただ一つの孤独な星が輝いていた。
これがフフホトの最初の印象。寒い。空は低い。
訳5
手を伸ばしてひとすくいのほの暗い光をつかむ

昨夜の十時半、飛行機は白塔空港に到着した。飛行機の窓から、駐機場に数機のエアラインがひっそりと停まっているのが見えた。キャビンから出る瞬間、まわりから風が吹き寄せてきた。反射的に肌が引き締まり、思わずシャツを掻き寄せた。

見上げると空低く上弦の月が見えた。地平線のすぐ上に押さえつけられている。低く手を伸ばせば、ひとすくいのほの暗い月の光をつかむことができる。夜空は思いのほか澄んでおり、たったひとつの星だけが輝いていた。

これが私のフフホトの第一印象。寒い。空が低く垂れ込めている。

訳6
月光に手をのばす

昨夜10時半、飛行機は白塔空港に着いた。小窓をとおしてみると、停機場には機体が寒々しく並んでいる。キャビンを出たまさにその時、風が四方八方から一気にふきあがってきた。肌がさっと引きしまり、思わずシャツの襟をたてた。

あおぎみると低い空に上弦の月をみつけた。とても低い空の際にはりついていた。低くてふと手を伸ばせばほの明るい月光がつかめそうなくらい。夜空はことのほか清々しくて、星がひとつきり孤独に輝いていた。

これがフフホトではじめて感じたこと。さむい。宇宙が低く垂れこめている。

訳7
手を伸ばせば掴める月明かり

昨晩10時半、飛行機が白い塔のある空港に到着。窓の外の駐機場には、とてもひっそりと数台の飛行機が停まっている。飛行機から降りるその瞬間、風が四方八方から吹き上がってくる。皮膚が瞬時にきゅっと引き締まり、思わず上着の首もとをギュッと掴む。
頭を上げると、地平線スレスレに押しやられたような上弦の月が見える。あまりに低くて手を伸ばせば掴めてしまうような仄暗い月明かり。夜空は殊の外清々しく、一人ぼっちの星だけが明るく輝いている。
これが、フフホトが私にくれた最初の印象。寒い。雲が低く垂れこめている。

訳8
8.薄暗い中、手を伸ばした先には
 飛行機が白搭空港に到着したのは昨晩10時半。窓の向こうのスポットには、旅客機がいくつかひっそりと停まっている。機内から出るとあちこちから風を感じた。皮膚がピンと張りつめ、思わずえりを立て、上着をしっかりと押さえる。
 顔を上げると上弦の月が空のうんと下の方に見え、手を伸ばせば薄暗い月の光をつかむことができそうだった。しんとした夜空には、星がひとつだけ明るくまたたいている。
 寒さそして雲が低く垂れ込んでいるこの空がフフホトの第一印象だった。
訳9
手を伸ばせば月の光

昨夜10時半、飛行機で白塔空港に到着した。飛行機の窓の向こうにの駐機場には、静かに羽を休める何機かの飛行機。機内から出ると、風が四方八方から吹きつける。寒さに皮膚が引き締まり、きゅっと襟を立てずにはいられない。
頭を上げて見れば、低く上弦の月が、山際に触れそうに見えた。こんなに低かったら、手を伸ばしてその薄暗い光が掴めそう。夜空は思いの外寒く、星がただ一つ、明るく輝いているだけ。
これが私の、フフホトの最初の印象だった。冷たさ。そして、低く垂れ込める空。

訳10
黄昏をつかむ

 昨晩10時半、フフホト白塔空港に到着。機内の窓からは、駐機場にひっそりと停まる数機の飛行機が見える。飛行機を降りたその瞬間、風が一気に吹きつける。皮膚がキュッとなり、思わず襟を立てる。
 顔を上げると見える上限の月があまりにも低い位置にあって地平線につきそうなほどだ。低い場所にあり、手を伸ばせば掴めそうな黄昏の月。夜空はことのほか澄み切って、星ひとつだけがぽつんと明るい。
これがフフホトの最初の印象。寒くて、低い空。

訳11
8.手を伸ばせばすくえそうな光
昨夜10時半に白塔空港に到着した。飛行機の窓から駐機場にひっそりと数機の飛行機が停まっているのが見えた。飛行機を降りた瞬間、周囲から風が舞った。肌が一瞬にして縮こまり、思わず上着をきつく閉めた。
見上げると地平線のとても低い位置に上弦の月があった。あまりにも低いので手を伸ばせば薄暗い月明かりがすくえそうだ。夜空はとりわけ澄みきっていて、星はたった一つだけ輝いていた。
これがフフホトの第一印象だ。寒い。空は低く垂れ込めている。
訳12
8.掬い取った黄昏

 昨日の夜、10時半に、飛行機は白塔飛行場に到着しました。飛行機の窓から覗くと、駐機場は寒々として、到着した飛行機が何機か止まっていました。機体から外に出ると、一瞬、冷たい空気に包まれ、皮膚が縮み上がり、思わずコートの襟を掻き合わせていました。
 目を上にやると、低い空に上弦の月が、地平線に押し付けられるように低くかかっているのが見えました。手を伸ばせば掬い取ることが出来るような、薄明るい月。周りの夜空は非常に寒々として、たった一つ明るい星が輝いているだけでした。
 冷たい空気と垂れ込めた空。これが、フフホトに対する私の第一印象でした。

訳13
8.手を伸ばして仄暗さを掴む

昨夜十時半、飛行機はフフホト白塔国際空港に到着した。窓の外、駐機場には飛行機が数機ひっそりと止まっているのが見える。飛行機を降りた瞬間、全ての方向から風がどっと押しよせてきて、一瞬のうちに鳥肌が立ち、服をかきあわせないではいられなかった。
顔を上げると弧を描いた上弦の月が低く低く地平線にのしかかっている。手を伸ばせば薄黄色い月の光が掴めそうな低さだった。夜空はことのほか清々しく、ただ一つ孤独な星が明るく光っているだけだった。
これがフフホトから受けた最初の印象だ。寒い。空が低い。

訳14
手を伸ばしほのかな明かりをつかむ

昨夜10時半に白塔空港に降り立った。窓からのぞくと飛行場にはひっそりと飛行機が数機止まっている。機内から出たその時、風が四方八方から吹きつけてきて鳥肌が立ち、思わず上着の見頃を掻き寄せた。
顔を上げると上弦の月が夜の街のすぐ真上にあって、手をちょっと伸ばすだけでほのかな月の光をつかむことができた。夜空には一つの星が輝いているだけだ。
寒く、空が低い、これがフフホトの私の第一印象であった。

訳15
8. 月の光をつかむ

昨晩十時半、フフホト白塔国際空港に着陸した。窓から外をのぞくと、ひっそりと何機か停まっている。機内から出ると、途端に風があらゆる方向から吹き付けてきた。皮膚が一瞬にしてこわばり、思わず襟をかき合わせた。
頭をもたげると、低いところに上弦の月がかかっている。あまりに低すぎて、遠くの山や建物にのしかかっているようだ。手を伸ばせば月の光をつかめそうなくらい近い。夜空は空気が澄み切っていて、孤独な星が一つだけ輝いている。
これがフフホトの第一印象である。寒くて空が低い。

訳16
手を伸ばしすくい取る月光

昨晩10時半、飛行機は白塔空港に到着した。窓からは駐機場で無機質に停まっている数機の飛行機が見えた。機内から外に出たその瞬間、風が四方から襲ってきた。皮膚は瞬時に収縮し、私は思わず服をぎゅっと引っ張った。見上げると低く位置する上弦の月が見えた。まるで地平線を上から低く押しとどめているかのようで、手を伸ばせば鈍く輝く月の光をすくい取れそうだった。夜空は甚だ寒々しく、ただ一つの星だけが孤独に輝いていた。
これがフフホトに対する私の第一印象だ。寒く、空が低く垂れ下がっている。

メモ

えーと、今回は恥を忍んで、自分の勘違いをご紹介します。

タイトルの“伸手握一捧昏黄”だけでも、たくさん勘違いポイントがありすぎて大変でした。

まず、「捧」を「棒」と勘違いしていました。
「捧」は動詞にもなりますが、ここでは量詞ですね。
勝手に「棒」だと思って、細長い棒みたいな三日月を連想していましたが、違いました。「棒」には量詞のはたらきはありません。漢字に頼りすぎて、字面だけ追うと、誤って勝手な解釈をしてしまって、よく恥ずかしい思いをします。

「昏黄」も、「黄昏」と間違えて、夕方かと思いましたけど違いました。夜の10時半ですもんね。

それから、文章に出てくる「上弦の月」について気になって調べたところ、これまでの人生、私はずっと「上弦の月」を間違って理解していたことを知りました。常に「上弦は弦が上」「下弦は弦が下」じゃなかったんですね!!

ということは、夜がまだ更けていないときに地平線付近に見える上弦の月は、「ひとすくい」というより「お椀を伏せた形」になるのでは?
もしかしてMichelleさんも間違っているのでは……という疑惑が生まれましたが、ここではひとまず脇に置いておくことにします。詳しい方がいらしたらぜひ教えてくださいませ。

皮肤瞬间收紧:これを「鳥肌」まで訳すとやりすぎかなあと悩みました。

让人禁不住拉紧衣衫:皆さん迷われてましたが、私も迷いました。この文章だけでは何が正解とは言えないので、それぞれの想像力を羽ばたかせればいいのだと思いますが、どうでしょうか。

压在天际线上:ここで、お椀を伏せたような形の月の方がふさわしいのかな、上弦の月ってどんなのだ?という疑問が生じました。あと、“压”に「迫る、近づく」という意味があるのも新発見でした。

今回はわからない部分が多い課題でした。

月の描写についても、理科の教科書の文章ではないので、そこまで気にする人も多くはないかもしれませんが、読むひとによっては間違っているときっとすごく気になるところですね。本になるなら、校正で赤が入れてもらえるのでしょうか。

第9回課題

さて、第9回の課題です。

ずっと冬でしたが、今回はちょっと季節が変わります。

第9回の締め切りは3月14日水曜日とします。

はじめてのかたは、初回の注意事項(↓)をよく読んで投稿してくださいね。

これまでいろんなオンライン勉強会を主宰してきました。 原書を輪読する会、ディクテーションを毎日やる会、テキスト1冊を期限までに仕上げる会…...

翻訳勉強会で使ったエッセイの日本語訳と、このエッセイを課題とした翻訳レッスンの実況中継を本にしました。

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