ソウル・リウム美術館にてユイグ展@梨泰院



先日またまたソウルに行ってきました。

アートメインで楽しかった。

ピエール・ユイグ展

ピエール・ユイグの個展「liminal」を見てきました。

会場はサムスン文化財団が運営するリウム美術館です。

ユイグはフランス人アーティストですが、今はチリのサンティアゴを拠点に活動。
サンティアゴは今年の2月に訪れたばかりだったので、これも何かの縁、ぜひぜひ見に行かねば、と。

ベネチアのプンタ・デラ・ドガーナに続き、ソウルでの巡回展です。

巨大な、がらんとした展示室は真っ暗です。
真っ暗すぎて、スタッフの方が時々足元を照らしてくれるほど。

大きなスクリーンで、明度の低い作品が上映されていて、じょじょに目が慣れてくると、広いフロアのそこここで、座ったり壁にもたれたり、思い思いの恰好で観客が映像を鑑賞しているのが見えてきます。

Liminal

本来は顔であるべき部分にぽっかりと暗い穴のあいた、妊娠しているらしい裸の女性が、謎の身振りを続けながら荒れ地をさまよっているインスタレーション作品です。
この動きは併設されるセンサーとシュミレーターで絶えず変化し続けているのだとか。

無題(ヒューマン・マスク)

Liminalのスクリーンの裏側から別の映像が流れる音が聞こえています。
暗い部屋をおそるおそる進んでいきます。

東北大震災後の福島、廃墟となった居酒屋の中を、能面をつけた猿がうろうろと動き回る様子が記録された作品が上映されています。
洋服とウィッグをつけた猿は一見小さな女の子のように見えますが、見ているうちにそうではないことがわかる。
それでも一瞬人間に見えてしまい、舞台と主人公のあいだに何か物語性を探したくなってしまう観衆、そしてそれを裏切る猿の非人間的な動き…。

スクリーンの後ろでは、ひとの顔を失った裸の女性、こちら側では、ひとの顔をかぶった服を着たニホンザル…、真っ暗で足元もよく見えない、だだっぴろい大きな部屋…、非現実すぎてくらくらしてきます。

Camata

階下に降りると、今度は砂漠の映像が流れています。
チリのアタカマ砂漠でユイグが発見した人骨。日にさらされた白い骸骨の周りを機械が取り囲み、なにやら儀式めいた動きを続けています。

こちらもAIとセンサーを使い、映像は変化し続けているのだそう。

Robotics driven by machine learning, self-directed film, edited in real time by self-learning algorithms, sound, sensors

Annlee – UUmwelt

顔認識や脳波センサーを使い、映像がリアルタイム生成されるインスタレーション作品。

Deep image reconstruction, generated in real time, face recog­nition, sensors, brain wave sound

こんな感じの映像が、変化しながら延々と続きます。
人間世界と現実からはみ出したインスタレーションを見続け、脳みそが揺さぶられてよくわからなくなっております。

万博にもユイグ作品

ユイグの作品は、万博でも見れます。

《理なきもの》《イディオム》、ぜひ探して行ってみてください。

リウム美術館の常設展

ユイグ展にたましいを持っていかれたあとで、続いて常設展へ。

古美術コレクションと現代美術コレクションと2つに分かれています。
古美術コレクションは見ごたえがあるのでゆっくり時間をとるのがおすすめ。

建物を楽しむ

また、リウム美術館は3つの棟からなりますが、それぞれの棟が著名建築家により設計されている贅沢な美術館です。

左がレム・コールハース、右のレンガの建物がマリオ・ボッタ。

こちらがジャン・ヌーヴェル。たぶんあってる。現代美術コレクションの棟。

古美術の展示がされているマリオ・ボッタの棟は、最後にこの見事な螺旋階段を楽しめます。

そしてオラファー・エリアソンの空間インスタレーション。

梨泰院散策

リウム美術館は梨泰院エリアにあるので、梨泰院散策を楽しみました。

TAMBURINSで香水買ったり、くつした屋さんやおしゃれな本屋さんをひやかしたり。

Pace Gallery、アンティーク家具通り、ソウル中央モスク、世界グルメ文化通りなどなど。

展覧会の話だけで長くなってしまったので、続きは別記事にて~。

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