第7回課題
遅くなりました。
いつもたくさんのご参加、ありがとうございます。
「楽しい」という感想に励まされています。
今回もなかなか難しく、ぱっと見ではそんなに難しいとは思えなかったのですが、今まででいちばん苦労しました。
訳1
ニュース
毎日早朝に起床し、待ちきれずにニュースを見る。たいしたニュースがなければ、その一日は「待つ日」となる。何かが起こるのを待つ、取材に出るのを待つのだ。でも、それも悪いことではないと思う。
心の奥では、ニュースがないことを期待している。ニュースの価値が真実を捻じ曲げることだとされる時代に、私は自分の周りには死亡事件や詐欺、傷害事件、何かあった時に誰も助けてくれない、なんてことがないことを願っている。
訳2
7.ニュース
毎朝、起きたらすぐにニュースを見る。めぼしいニュースがなければ、一日受け身で待つことになる。事件が飛び込んでくるのを待ち、取材に出るのを待つ、そういう日も悪くはないと思える。
心の深いところでは、ニュースがないことを願っている。ニュースひとつの価値が歪んでいると認識されているこの時代だからこそ、自分が暮らす街の人たちが死にもせず、騙されもせず、傷つけられもせず、救いを求めても誰からも見向きもされないこともない、そんな一日を待っている。
訳3
ニュース
毎朝起きると、急いでニュースを確認する。もし何も良いニュースがなければ、それはつまりその日一日の「待ち」、例えば突発事項の待ち、外での取材の待ちが決定するのだ。だがそれは決して悪い事だとは思わない。
私は心のどこかでニュースがない事を期待している。ニュースの価値が歪んでいると思われているこの時代において、私は自分の生活圏内で死亡も詐欺も傷害も絶望も見たくないのだ。
訳4
7. ニュース
毎朝、早朝に起き出して、急き立てられるようにニュースをチェックします。若し適当なニュースが無ければ、一日の待機を余儀なくされ、突発事件に備え、インタビュー出動に備えるのです。この事態を、私は、悪いことだとは感じていません。
心の奥底で、私はニュースの無いことを期待しています。ニュースの意味が歪められて解釈されるこの時代に、私は、身の回りで,死亡事故や、詐欺や傷害事件、孤独に悩む人びとのニュースなどが起こらないことを切に希望します。
訳5
ニュース
毎朝早朝に起床し、とにかく真っ先にニュースを見て、もしも良いニュースが無ければ、それはその日一日中待機状態、突発的なことを待つ、取材に出かけるのを待つことが決まる。でも、それは別に悪いことじゃない。
心の奥底では、私はニュースがないことを密かに期待している。ニュースの価値観が歪められていると感じる時代において、私は自分の周囲に死亡事件がないこと、詐欺事件がないこと、傷害事件がないこと、神も仏もないようなやるせない事件がないことを見たいと願っている。
訳6
7.ニュース
毎朝起きると、まずニュースをチェックする。特に何事もなければ、その日は受け身に回り、突発事件や取材の外出を待つことになる。でも、それは悪いことではない。
心の奥底では、ニュースがなければいいと思っている。というのも、事実が捻じ曲げられて報道される時代なのだ。
亡くなる人やだまされる人、傷付けられる人、苦しい立場にいる人。身の回りでそういう人たちを見なくて済めばどんなにいいだろう。
訳7
毎日開け方に起き、ニュースを見る間もないが、好いニュースがないと、一日動きを待つことが決定する。暴発を待ち、取材に行くのを待つ。けど、悪い出来事は何もないと思う。
心の奥底では、ニュースがないことを期待している。ニュースの価値が捻じ曲げられる時代にあって、私は願う。生活の周辺に、死亡事故がないこと、詐欺や傷害の事故がないこと、天にも地にも救いがない事態がないことを。
訳8
7.ニュース
毎日朝早く起きると真っ先にニュースを見る。もし、いいニュースがなければ、受け身で待つ一日を過ごすことになる。待つことは突発的で、外に取材に行くのを待つ。でもそれも悪くない。
私の心の一番深いところではニュースが無いことを期待している。一つのニュースが時代を歪めてしまうのに値することがあるからだ。身の回りで死や詐欺、傷害がなくなり、助けを求める人に救いの手が差し伸べられるようなそんな生活を望んでいる。
訳9
7.ニュース
毎日早朝、待ちきれない気持ちでニュースを読む。もし良いニュースがなければ、一日受け身の姿勢での待機となり、突発事件や出張取材を待つことになる。だが私は、それはなにも悪いことではないと思っている。
心の底の最も深いところで、私はニュースがないことを望んでいる。ニュースの価値が歪んでいると思われているこの時代、私は、自分の生活範囲内で死亡がなく、詐欺行為がなく、傷つけることなく、助けを求めているときどんな助けも得られないなんてことがないことを見届けたいのだ。
訳10
毎朝早く起きて、余裕をもってニュースをみる。いいニュースがないと、その日は1日待ちぼうけ、突発ニュースを待ったり、取材に行くのを待つ。でもこれも悪くないと思う。
こころの奥底で、わたしはニュースがないことを願ってる。ニュースの価値がねじ曲がったこの時代に、自分の周りで人が亡くなったり、騙されたり、傷つけられたり、天に叫んでも地に叫んでもかなわないようなことがないように願ってる。
訳11
7.ニュース
朝起きると真っ先に新聞記事に目を通す。目ぼしいニュースがなければ、その日は「待ち」の日だ。飛び込んでくるニュースを、外へ取材に行く機会を待つ。でも、それも悪くないと思っている。
私は心の奥底では何もニュースがないことを望んでいるのだ。ニュースの価値がねじ曲げられる時代に、私の周りで人が死んだり、騙されたり、傷つけられたりする記事を目にしたくない。日々湧き上がる叶わぬ願いや、方々の不条理な出来事に騒がしい新聞を見たくない。
訳12
7.ニュース
毎朝起きてすぐの日課は、まっさきにニュースを見ることですが、もし興味のあるニュースがなかったら、今日一日は突発的な事件や取材に備えて待機する決まりです。といっても、これは別に悪くないと思っています。
心の奥深くでは、ニュースがなくなることを楽しみにしています。ニュースの価値がゆがめられてしまう時代なので、自分の身の回りで人が亡くなったり、騙されたり、ケガを負ったり、ひとりぼっちになったりするのを見たくないからです。
訳13
7.ニュース
毎朝朝早くベットから出て、待ちかねたようにニュースを見る。もしいいネタがなければ、突発的な出来事や、インタビューに出かけること一日受け身で待つことになる。
突発的な出来事や、インタビューに出かけるのを待つわけだが、私は悪くないと思っている。
心の奥底では、私はネタがないことを期待しているのだ。
一つのニュースの価値が歪んでいると考えられている時代の中で、自分が暮らす周囲で死もなく、欺瞞も、傷つけることも、見放され、絶望することもない。
そんな日々を目にすることを願っている。
訳14
毎日、朝に目を覚ますと何よりもまずニュースをチェックするんですが、いいニュースがないと、その日は指示待ちで、突発事件や外でのインタビューを待つ一日になります。でも、それが特に悪いと私は思いません。
心のずっと奥のほうでは、ニュースがないことを私は望んでいます。ニュースの取り上げられ方がおかしくなったと思われている時代で、自分が暮らす周りでは死ぬ人も騙される人も、傷つく人も、皆から手を差し伸べてもらえない人もひとりだって見たくはありません。
メモ
「等待~,等待~,」や「没有~,没有~,」などの、繰り返しをどう訳すか悩みます。この繰り返し、中国語ではとてもリズミカルなのですが、そのまま日本語に置き換えると、どうもいい感じになりません。
「没有~,没有~,」の部分の訳、比べてみると、
「~たり、~たり、」と助詞を使って並べる。
「~の人、~の人」と名詞にして並べる。
最後の1文は特に長いので、日本語では句点を増やして2つの文にしている人も多いです。
最後の文では、気になるところがあともうひとつ。
「在一个新闻价值被认为扭曲的时代」というところですね。
この文章は後半があるので、いつかまた課題としてみなさんに読んでもらって、どういう意味なのか一緒に考えることができればと思っています。
第8回課題
さて、第8回の課題です。
うまく意味が取れないときは、スラッシュを入れて文の構造を把握しながら読んでいくのもいいですね。
永田小絵先生の「読解と翻訳・通訳のための中→日スラッシュ・リーディング・メソッド」が大変ためになります。
第8回の締め切りは2月28日水曜日とします。
はじめてのかたは、初回の注意事項(↓)をよく読んで投稿してくださいね。
これまでいろんなオンライン勉強会を主宰してきました。
原書を輪読する会、ディクテーションを毎日やる会、テキスト1冊を期限までに仕上げる会…...
翻訳勉強会で使ったエッセイの日本語訳と、このエッセイを課題とした翻訳レッスンの実況中継を本にしました。