The Hundred Lies of Lizzie Lovett 読みました



タイトルと装丁に惹かれて手に取りました。
新年1冊目の原書です。
ジャンルとしてはYAに属するのかな。

ストーリーに入り込むのがちょっと難しかったです。

17歳の女の子が主人公ですが、彼女の発想も行動も矛盾だらけ。プロットにも矛盾を感じ、退屈に感じる部分も多くありましたが、「容姿も性格も完璧で、何もかもを手に入れているように見える学校のスター、そして彼女に憧れると同時に嫌う女の子」という設定がツボに入ってしまい、最後まで読んでしまいました。

主人公のHawthornはほんとうにイヤなところのある女の子で、彼女の周りの登場人物だけでなく、読んでいるこちらまでムカついてしまうほどです。

友達と言える子はほぼ一人だけ、でもそのたった一人の友達にも愛想をつかされるほどの自己中心的なふるまいばかりしているHawthornは、美人で性格もよい、兄の同級生Lizzie Lovettに憧れと嫌悪感を同時に抱いています。

そんなLizzieがある日突然、恋人とのキャンプの夜に姿を消してしまった。森の中で道に迷ったのか、はたまた恋人に殺されたのか。かつての学校のスターの失踪に、学校は噂でもちきり。
Lizzieの身に何があったのか。HawthornはLizzieを探すことに熱中し始めます。

全てを手に入れている人への憧れと嫉妬。かつての私もそんな気持ちをずっと抱えていたことがあったなあと、読みながらその憎き相手の顔を思い出し、十代の頃の複雑な感情と恥ずかしかった出来事のあれこれを胸の奥から掘り起こしてしまったのでした。

感情も行動も矛盾だらけで、クラスの誰もがみんな嫌な人に見えることがあって、ほかのみんなは楽しそうなのに自分だけ除け者のように思えることがあって。

高校時代、そんな思いを抱えて過ごしていたのは私くらいだろうなと若い頃は思っていましたが、多かれ少なかれ、みんなそういう気持ちを抱いていたのだろうなと今は思います。

読んだ後、Hawthornよりむしろ、Lizzieのことをもっと知りたいなという思いが残りました。

かったるいなー、退屈だなあ、と言いながらB級映画を観て、それでもなんだかその映画のことを嫌いになれず、いくつかのシーンがいつまでも心に残っている、ということがありますが、この本もそんな感じです。

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