「車票」(邦題:追憶の切符)
孤児である主人公が育ての母の死をきっかけに母親探しの旅に出るという、雲南省の美しい風景が背景のロードムービー。どんでん返しがあるのかと思っていたけれど、意外にあっさりと終わってしまいました。都会でバリバリ働く孤児院出身の二人にも違和感があったり、郵便も各戸に届かないほどの奥地から北京へ行くなんて…設定と矛盾がないか?とか疑問を抱いてましたが、原作は台湾ときいて、なるほど納得。そのほかの設定を変えずに場所だけ変えたわけですな。
左小青のよさってどういうところにあるんでしょうね。清楚で真面目な印象はあるものの、可愛いとかきれいとかいう感じではなく、どちらかというと脇役っぽいたたずまいですが、よく主役で出ているのが意外だったりします。日本でいうところの木村多江みたいな感じ?民族のDNAに訴えかけてきそうな、長い歴史の中の最大公約数的容貌。
薄暮
読めないまま期限が来たので図書館に返却しようとテーブルにおいていたのを、ページをちょっとめくったらあらまあ一気に読了。元美人、そして今もなお美を保つ老女というのはそれだけでどこか謎と狂気をはらんでますな。背筋をぞぞぞとさせつつ、細部に未知の情報がたくさん仕込まれている篠田ワールドにまたしてもいちころです。