Finnegan’s Way ヘタにやることのふしぎな力



ときほぐす手帳』でも紹介した、チャールズ・ケリーのFinnegan’s Way: The Secret Power of Doing Things Badly。

ブログで紹介済だと思っていましたが、書いていなかったのでアップします。

セルフ出版でペーパーバックも出されているようです。Amazon経由でも買えますが、Book Depositoryサイトの方がちょっと安いので直接購入がいいかも。

約90ページの短いお話なので、ペーパーバックも多読本並の薄さだと思います。

ジェイムズ・ジョイスのフィネガンズ・ウェイクのもじりかなと、タイトルについていろいろ考察してみましたが、あんまりいい発見はありませんでした。

スターバックスにいるフィネガンさん

主人公は、小さな出版社の経営者ですが、スタッフのやる気を引き出すことができず、経営難でいまや倒産寸前。仕事だけでなくプライベートでも悩みはつきず、憂鬱な毎日を過ごしています。

そんな彼がある日、スターバックスで一組の客を目にします。角のテーブルで話し込む、値の張りそうな服に身を包んだ男性と、落ち着かない雰囲気の女性。弁護士とクライアント?医者と患者?

彼の視線に気づいて、スタバの店員が教えてくれます。
「あれはフィネガンさん。英国でCEOとして成功したお金持ち。今はこうして人々の話を聞いてアドバイスをしているんです」

悩み多き女性の相談に、フィネガンさんが答えるのが聞こえてきます。
「思いつく限り最悪の方法でやってごらんなさい」

主人公の彼はそれを聞いて、フィネガンさんのことを常軌を逸したおかしな人だとジャッジしましたが、なんだかんだで1週間後、フィネガンさんの「指導」を受け入れることになっていきます。

ちょっとデイル・ドーテンの『仕事は楽しいかね』に似た展開です。
偶然出会った年配男性の話を聞き、アドバイスを受け入れることで、これまでの悩みから解放されていく。

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あるいは、ひときわライトな『モリー先生との火曜日』風味の自己啓発書といいますか。涙はありません。

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フィネガンさんのアドバイスは、「できる限りいちばんひどい方法でやりなさい “Do it in the worst possible way.”」が原則です。なかばやけになって「ひどい方法で」やってみると、大事なことが見えてくる。

ちょっとできすぎな展開もあるものの、読んでいるこちらも楽しくなってくるのも事実です。

Doing Things Badly ヘタにやる

Doing Things Badlyって、訳しにくいですよね。「うまくやる」の反対です。まずくやる、とか、ヘタにやる、とか。

うまくやろうと肩に力を入れすぎて、普段はしないような失敗をしてしまう。

はたから見ていると、そういうのって案外よく見えるのでしょうが、自分のことは近すぎて見えません。自分がそんな状態になっていることは、自分ではなかなか気づきにくいものです。

失敗してもいい、失敗してもやり直せる、と腹をくくってとりくむことで、これまでなかった展開が起こる。

自分の気の持ちようで、現実が変わってくるというのは確かにあるのだろうと感じます。

とにかく失敗しないように、効率のいい方法で最短距離を行きたい、と思ってしまい、思いすぎて逆にドツボにはまってしまったことのある私にとっては、とても救いになるストーリーでした。

難しい言い回しも少なく、会話が多くて次の展開が予測しやすいストーリーなので、原書読みに慣れていない人にもおすすめです。

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