Lucy FoleyのThe Guest Listを読み終えました。
アガサ・クリスティぽいミステリ、ということでしたが、最初から最後まで、気がめいるドヨドヨした雰囲気たっぷりのお話でした。
あらすじ
船でしかたどりつけないアイルランドの島で開催されるウェディングパーティー。
主役となるのは、見目うるわしく、パーフェクトな新郎新婦。
物語の幕開けは何かが起こった後の、結婚式のその夜。
その後、彼らが島に到着した時点に戻りつつ、ウェディングプランナーのイーファ、招待客のプラスワン(招待客が連れてくるゲスト)のハナ、新婦のジュールス、新郎のベストマン・ジョノ、ブライズメイドのオリヴィアが順ぐりに語り始めます。
彼らの語りが進んでいく中で、それぞれが抱えている秘密と、式当日の夜に何が起こったのかがあきらかになっていきます。
オーディオブックで聞き読み
語り手がめまぐるしく変わるのと、それぞれが思い出を語るので時系列がよくわからなくなり、最初はとても読みづらかったです。今読んでいる章が誰の語りなのかがわからなくなってしまう。
オーディオブックの情報を見てみると、ひとりのナレーターが声色を変えて登場人物を読み分けるのではなく、異なるナレーターがそれぞれの語り手を担当するタイプのようです。これなら今読んでいるのが誰の語りかわかりやすそうなので、オーディオブックを聞きながらKindleで並行読みすることにしました。
サンプルで聞けるのは、はじめの章の式当日の夜、何かが起こっていることがわかった場面です。聞いてみてお分かりの通り、陰鬱な雰囲気たっぷりで、これが最後まで続きます。
ページターナー
ずっと暗い話で、登場人物の誰にも寄り添いづらいのですが、途中でやめられない不思議な魅力がある作品です。
嵐の夜、孤島に閉じ込められたたくさんのゲスト。何か事件が起こっているのは確実だけれど、被害者も犯人もわからない。
よくあるプロットといえばそうなのですが、登場人物の特徴がつかめてくると、おもしろくなってきます。
終盤の伏線回収もなかなかみごとでした。
難しい語彙が毎ページたくさん出てくるThis is How You Lose the Time Warを読んだ後だったせいもあるのか、この本はずいぶん読みやすく感じました。
(This is How You Lose the Time Warのレビュー書いてませんでした、忘れないうちに残しておかなくては。)
さて、次は何を読もうかな。
積読くずしもしなければ。