1冊のまっさらなノートを好きなように使える、自分の好きなことを全部盛り込める。
自作のフォーマットを盛り込むバレットジャーナルは、ビュッフェの取り皿のようなものかもしれません。
白い大きなお皿には、何を載せるも自由。
おいしそうなもの、大好物、載せたいように載せられます。
どんなに山盛りにしても、カロリーが高いものばかり載せてもいい。
ところが、テンション高くいろいろとってきてしまったけれど、あれあれ。
よくよく考えてみると、これ全部ちゃんと食べられるんだろうか?
実は私、くいしんぼうのくせに胃袋は小さく、量を食べられないので、ビュッフェではだいたい失敗してしまうのです。
好き嫌いも少なからずあるので、見た目のよさでお料理を選ぶと、「これ食べられないやつだった…」ということもままあります。
「大切なこと」の取捨選択
選べるものがたくさんあって、何でも取り入れられると思うと、とりあえず端から試してみたいと思います。
私も一時期、海外のユーザーのインスタ画像を見ては、いろいろ試していました。
試してみるのはとてもよいことです。
試してみないと、わからないことはたくさんあります。
試すことで、今までよりも、よい方法が見つかります。
今までよりもよい方法が見つかったら、前のやり方と変えてみる。
どんなに自分にフィットしているやりかたがあっても、自分はどんどん変化していきます。
やりかたを変える必要がでてきたのかもしれない。新たな挑戦の瞬間です。
同時に、見た目がよかったり、評判がよかったりしても、実際に試してみると、自分には必要ないかなと感じるものもある。
試してみなければわかりません。
問いかける・考える
バレットジャーナル開発者のライダー・キャロルさんはことあるごとに「『それは本当に大切なことか?』と自分に問いかけることの大切さ」について語られています。
自分への問いかけは、自分に「考える」ことをうながす行為でもあります。
自分にとってよさそうなものをいろいろ試すのも大事。
「それが自分にとって大切かどうか?」を見極めつつ、取捨選択していくには、「試す」から一歩進んで、「思考する」というひと手間が必要になります。
そして、具体的にどう取捨選択していくか。
そこでとても大事になってくるのが、「質問力」です。
自分で自分にどんな質問を投げて、どんな答えを引き出すか。
使いやすい手帳のフォーマットは、ユーザーにすぐれた問いを投げかけていると感じます。
手帳からノンバーバルな問いを投げかけられて、それへの答えを書き込むことで、見えてくるものがある。
手帳って、自分が積極的に書き込むだけの一方向のもののようで、実は無言の問いを投げかけられていて、行ったり来たりのやりとりが発生していることを感じます。
ジブン手帳とか、逆算手帳とか、個性的な手帳には、そういった「導き」的な作用が大きく、「手帳との会話」がやりやすいかどうか、自分にフィットしているかどうかが、「相性のいい手帳」を決めるともいえます。
ムーンプランナーは、制作者さんのきめこまやかなてほどきと合わせてじっくり自分と向き合える素敵な手帳だと思います。
思考停止を防ぐために
何も書かれていないノートから始めるバレットジャーナルは、なんでもできる可能性を秘めていると同時に、考えることを促さない手帳になる可能性も秘めている。
自分に必要なコレクションを追加することで、そうした自分を導く力を持つ手帳にすることができると同時に、本当は自分に必要ないものをたくさん搭載していると、手帳に振り回され、疲れてしまったり余計な悩みを抱えたりすることになってしまいます。
作業が多すぎると、思考が止まります。
市販の手帳なら、不要なコンテンツは軽くスルーすることもできますが、自分が選んで取り入れたものは、必要ないかもしれないと感じていても、スパッと割り切れずにずるずる続けてしまいがちです。
新しいノートに変えるタイミングは、こうしたことを考えるのに最適です。
すっかり肌寒くなってきた秋の夜、ブランケットにくるまりながら、ひとり手帳会議を繰り広げています。