The Rosie Projectを読み終えました。
11月に読み始めて、亀の歩みでしたが、半分を過ぎた頃にやめられなくなって数日で一気に読んでしまいました。
妻になってくれる人を見つけるプロジェクト
条件だけ見ればモテてモテてしかたなさそうな(しかし全然モテない)大学の先生である主人公Donが、思い立って結婚相手を探し始めるのですが、なんとお見合いの相手にあらかじめ16ページに渡るアンケートに答えることを求めます。
どんなに気があっても「時間を守れない人」「タバコを吸う人」「ベジタリアン」であれば結婚相手としてふさわしくないので、条件に会わない人と過ごす時間の無駄を省くため、というのがその理由。
そんな妻探しプロジェクト、当然うまくいくはずもないのですが、そこに現れたのがRosieという女性。
時間は守れないしタバコは吸うしと徹底的に条件から外れている彼女ですが、なぜかウマがあってしまうのに戸惑うDon。
「私に似ている」
読む人によっていろいろ見方が変わると思うのですが、私はDonの性質について、自分の中にもある個性のひとつとして読みました。
実際に同様の障害のある人を身近に持つ方が「こんなにうまくいくはずがない」というような感想を持たれたとツイッターでも聞き、その意見にも納得しましたが、Donほどではないかもしれませんが、私も絶望的に空気が読めない部分があり、そこにとても共感したのです。
Donだけでなく、他の登場人物にも「あらら残念」な部分はそれぞれあって、読んでいるうちにDonだけが特別ヘンなわけじゃないという気持ちになってきます。
みんな生きづらい部分を大なり小なり抱えています。現実はこんなにうまく行きはしないのかもしれないけれど、でも誰もがうまくいって、欠点こそを愛してくれる誰かと出会えますようにと祈るような気持ちになったのでした。
「ワイフ・プロジェクト」というタイトルで邦訳も出ています。
続編も出ています。