バレットジャーナルとNotionって、共通点が多いと感じます。
だからこそ、つまづいたり、悩んだりすることも似てくる。
ふたつを並べてその特徴を比べてみると、長いことバレットジャーナルを愛用している私が、Notionに夢中になりつつあるのも、なるほど納得です。
自由度の高さ
バレットジャーナルは、1冊のまっさらなノートに自分でモジュール(インデックス・マンスリーログ・デイリーログ・コレクションなど…)を組み込んでいくことで、暮らしをオーガナイズするツールとなります。
市販のスケジュール帳だと、書くスペースが足りない、逆に、必要のないコンテンツが多くて使いにくい、といった不満が生じることもありますが、自分のほしいものをほしいぶんだけ詰め込めるのがバレットジャーナル。
Notionも、「ブロック」と呼ばれるモジュールを好きなように組んでページを作ることができます。
To-doリストはもちろん、画像を貼ったり、ファイルを置いたり、境界線を引いたり、他サイトのページを埋め込んだり。
これらすべてが「ブロック」を使って組み立てられる。レイアウトを考えているだけで、楽しくなってきます。
飾れる
バレットジャーナルが、もともとの理念・概念だけで世に伝わっていったなら、きっと今ほど認知されることはなかったのではないでしょうか。
かわいらしくデコる、繊細なイラストでページを飾る、バレットジャーナルを作ることで得られるその楽しさが、多くの人を夢中にしました。
Notionは、ページを構成する「ブロック」の汎用性の高さが、「自分仕様にカスタマイズしたい、もっと便利に、素敵にしたい」という欲求をかきたてる役割を果たしています。
各ページにセットできる「アイコン」と「カバー(ヘッダー画像)」も、「飾りたい欲」を高める装置になっています。
全部を集約したくなる
バレットジャーナルは、労力を注ぎ込めば、ノート一冊に自分の暮らしの全てを集約することができます。
仕事も、家のことも、趣味のことも、家計簿も。
Notionもまさに、使えば使うほど、「1か所に集めておきたい(そして見せ方も工夫したい)」という気持ちが高まるツールです。
ユーザー同士のテンプレート見せ合い文化
バレットジャーナルというタグでインスタグラムを検索してみると、たくさんのユーザーが自分のノートの中身を公開しています。
ほかのユーザーがどんな使い方をしているのかすごく知りたいし、ノート例を見たら、自分も作ってみたくなる。
人気のインスタグラマーさんが、自分ではうまく作れない人のために、オリジナルテンプレートを有償配布するというムーブメントも生まれました。
私もNotionのテンプレートをいろいろ探して、山ほどダウンロードして、実際に試してみました。
ひとの作ったものを使ってみると、自分にフィットしない部分がわかって、そこを改良して、自分に合ったものにカスタマイズ。ひととおりさわり終えたら、今度はゼロから作ってみたくなる。
ダッシュボードや階層のあるページがいい感じにできたら、誰かに見せたくなっちゃうんですよね。頼まれてもいないのに、工夫したところを解説しちゃったりして。バレットジャーナルでも、Notionでも、同じ道をたどっている気がする私です。
凝り始めると沼にはまる
そして、手段の目的化が起こります。
暮らしを整えるために始めたバレットジャーナルやNotionが、時間泥棒になってしまう。
「見せるため」のページ作りを始める人も多くなっていくでしょう。
「見せる・魅せる」ための投稿に、本来の目的でナレッジ共有したいひとたちの投稿が埋もれてしまう。
Notionユーザーのコミュニティで、「ここ、だんだんBullet Journalのコミュニティに似てきてるよね。ファンシー(でノイジー)なデザインがたくさん、効率性じゃなくて」というスレッドが立っていましたが、確かに、使う人の母数が増えると、そういうふうな変化は起こってくるんだろうなあと思いました。(でもそれはよいことでもあると思います。私はこの流れができることを歓迎してます。)
デジタルの強みに惹かれる
さて、ここからはふたつのツールの、似て非なる部分について。
「1冊で自分のすべてを管理できるバレットジャーナル」といっても、アナログノートの場合、1冊を使い終えると新しいノートに切り替えなければなりません。古いノートが何冊もたまっていきますが、古いノートに書きこんだ情報には、アクセスすることが難しくなります。当たり前ですけど、1冊ではおさまらない。
アナログで記録したノートの中の情報を、できるだけアクセスしやすいかたちでデジタルに移行する方法をこれまでいろいろ模索してきましたが、これ!という方法はいまだ見つかっていません。
かといって、デジタルでバレットジャーナルをやろうという気にもなれない。
やはり、ノートを携帯して、「!」と頭にアイデアが浮かんだその瞬間、ページを開いて紙に記録するという行為を手放したくないのです。
半年くらい前にNotionにアカウント登録してから、少しずつ使っていたのが、ひょんなきっかけでNotionを人に紹介することになり、あらためてさわってみると、自分なりの使い方の方針が見えてきて、すっかり夢中になっています。
Notionをジブン手帳のLIFEに
私の現在のNotionの使い方として、ジブン手帳の「LIFE」を想定しています。
ジブン手帳は、1年の記録をとるための「DIARY」と、アイデアなどを書き留めるためのメモ帳としての「IDEA」、そして「一生使い続けられる」と銘打たれた、「LIFE」の三冊で成り立っています。年がかわっても、「LIFE」だけは差し替えて使い続けていくのです。
私のバレットジャーナルには、「LIFE」の要素が欠けている、それならデジタルでやってみよう、と思い、残しておきたい記録をバレットジャーナルから転記するためのスペースとしてNotionを使うことにしました。
とはいえ、デジタルのサービスは突然終わってしまうこともないわけではないので、楽しみつつも、無理に「すべて」を一気に移行しようと思わず、様子を見ながらのんびり作っていこうと思っています。
バレットジャーナルが好きな人にNotionをおすすめしたい理由
おすすめしたい理由として、まずいちばんに挙げたいのが、データベースの概念を学べることです。
情報を階層化して管理しつつ、縦横無尽にリンクしていけるのも魅力です。
アナログだと、「読みたい本リスト」「読んだ本リスト(コレクションとして別ページ)」「読んだ本のあらすじ(コレクションとして別ページ)」「読んだ日(デイリーログ)」などなど、データが散らかってしまいます。
こういったデータをひとつのページに集約できると同時に、「作者別」「ジャンル別」「時系列」など、さまざまな属性によってフィルタリングして記録をふりかえることができます。
最初はとっつきにくいと思うのですが、この仕組みを理解することで、記録の取り方も変わっていくんじゃないかと思います。
私は「バレットジャーナルの振り返りツール」としてNotionを使っていく方針ですが、ユーザーの中にはがっつりバレットジャーナルのすべてをNotionで実現している方もいます。テンプレートもたくさん公開されてるので、それを見ているだけでも楽しい。
というわけで、バレットジャーナリストのみなさま、興味を持たれたら、ぜひこの機会に一緒にNotionを楽しみましょう~。