Kindle洋書セール情報の更新作業で知った、リリー・ブルックス=ダルトンのGood Morning, Midnight。
ジョージ・クルーニー主演で映画化もされている、私の大好きな宇宙もの。
しかもセールで100円台ということで、原書で読みたくなったのですが、読みたい本は尽きないので、サクッと読める日本語版を読みました。
『世界の終わりの天文台』って、原題でばらしてないことをいきなりネタバレしないで!という日本語タイトルです。
すごくおもしろかったので、気になる方はぜひ!
以下、ネタバレ部分は隠してあります。
あらすじと感想
北極圏の天文台に取り残され、外界から隔絶した環境で生き延びる老学者オーガスティンと少女、それから、木星探査というプロジェクトを終えて地球に帰還しつつある宇宙船に乗っている乗組員サリー。
未来に希望を持てない状況の中で、ふたりはそれぞれの場所で、自らの過去を振り返り、今この瞬間に生きるよすがを求めていきます。
一見SF小説のようですが、舞台装置が宇宙だったり近未来だったりするだけで、中身はどっしりした人間ドラマです。
宇宙飛行士というと、数々のテストによって選別されたものすごく人間的にできている人たち、というイメージがあるのですが、そのような人たち--強い肉体と安定したハートを持っていて、人並外れた頭脳を持っていて--であっても、サリーのように後悔や自責の念を抱くような過去があるのだなあと、しみじみ共感しつつ読みました。
Netflix映画の方は、どんなストーリーになっているのか気になります。
予告を見る限り、多少の説明がプラスされ、ちょっと違う展開になっているところもありそう。
北極圏の自然や宇宙空間の厳しくも美しい光景を映像で見てみたいです。
まるで映画を見ているように情景が浮かぶ、いい小説でした。
中国語版も出てますね。