北京折叠 (折り畳み北京)、読みました!



ヒューゴー賞の中編小説部門を中国語の小説(ケン・リュウが英訳)が獲りました。

北京折叠

さっそく読んでみました。こちらから無料で読めます。

北京折叠 – 作品详情 | 豆瓣阅读
2016 年雨果奖最佳短中篇小说。 日渐拥挤的未来北京,昼夜之间三个世界交替折叠,轮流苏醒。人们被阶级与出身分隔其间,在同一个舞台上演出无穷循环的城市戏剧。 老刀,年近五十,垃圾工,单身父亲。为了女儿…

(ちなみに上で紹介したページのリンクから、短編部門受賞作のCat Pictures Please by Naomi Kritzerの中訳やケン・リュウの短編も読めますよ。)

未来の都市というテーマが、先日読んだ中国語繁体字の漫画《不用工作的城市》とちょっとかぶっています。
貧困層・中間層・富裕層が分断された未来の北京では、目を覚まして活動する時間が制限されています。
都市はタイトル通り「折り畳める」構造に作り替えられ、折り畳み可能な3つの空間を作り出すことで土地の不足問題を解消することに成功。住民はそれぞれの生活圏を行き来することを禁じられています。

難しい表現は少なく、時間が来ると折り畳まれたり開かれたりする生き物のような都市の描写以外は理解しやすいストーリーです。

話の展開はテンポよく、次が気になってどんどんページをめくりたくなるおもしろさです。そして同時に、訪れつつある超格差社会の空気をリアルに感じると同時に、それぞれの階層に住む人たちが抱える生きづらさを自分に引き寄せ、読むのを止めて考えたりしてしまいます。

中編なので登場人物の背景などあまり書き込まれていないのが残念でした。この世界や登場人物についてもっと知りたくなり、読んだ後も彼らのことを忘れられずにいます。

中国のブックレビューサイトに、「原作よりケン・リュウの英訳の方が読みやすく洗練されている」というコメントがありましたが、どうなのでしょうか。引き続き英語版も読んでみようと思います。

#多読チャレンジ2016 D:1冊め

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