細菌性の髄膜炎にかかり、大脳の新皮質をバクテリアに侵されて脳死状態になった脳外科医が、その7日間に経験した死後の世界について書いたノンフィクションです。
Proof of Heaven: A Neurosurgeon’s Journey into the Afterlife
これを書いている8/5早朝の時点でアメリカアマゾンの本ジャンル全体で5位というおそろしい売れっぷりです。
こういう本って、日ごろ本を読まない人が読むからベストセラーになるんでしょうね…。
208ページと短めで、サンプルの冒頭も読みやすく、これだけ売れてればきっと邦訳も発売されるに違いない!と、思い切って読むことにしました。
医学用語はもちろん、スピリチュアル関係の見慣れない語句がたくさん出てきましたが、だいたい言ってる意味がつかめればいいやと、ほぼスルーしました。それでも頻出するいくつかのキーワードは覚えてしまいましたよ…。
meningitis:髄膜炎
neocortex:新皮質
E. coli:大腸菌
いつ使うんだって感じですが。
本を読む前から予想していたとおり、死後の世界が存在する「証拠」は出しようがないわけですが、かつてはスピリチュアルのスの字もなく、患者の語る臨死体験を「ハイハイ」と流していたガチガチの現実主義の脳外科医が、ここまで考えを変えてしまったというのが書くほうにとっても読むほうにとってもポイントなのだなーと思いました。
たとえ、著者の体験した死後の世界の出現が、ダメージを受けた彼の脳が麻薬物質を大開放したことによるものであっても、人生を大きく変え、過去の心の傷が癒せるなら、それはそれですごいことです。
それに、臨死体験した人が口を揃えて似たようなこと言ってるんだから、まあ実際そういうルートを通る可能性もありそうだなーと、私は思っています。死ぬのが嫌になるようなキツイ経験ならともかく、帰りたくなくなるくらいステキな場所を通るんだったら、まあ可能性を認めてもいいんじゃないだろうか、と。
宇宙の「ダークマター」についても何度も言及されていますが、「なんでかわかんないけどそれは存在するかもね」っていうものをもっと気軽に認めたほうが、楽しいというか、ラクになる気がします。
この本を読んだあと、とても印象的な夢を見ました。「どうでもいいやと思ってる人に、ものすごく大切な人に対するような態度で接してごらん」というようなメッセージだったのですが、ハッとさせられました。
これも、読んだ本に影響されてたまたま見た夢だと思えばそれも事実だし、どこかからの大切なメッセージだと思えばきっとそれも事実なのだと思います。夢であってもせっかく体験したのだから、何かに生かせたらラッキーってことですよねー。
シンプルな英語で、難しい単語をスルーすればさらっと読めました。巻末に添付資料や参考文献のページがたくさんあり、本文字体は予想していた以上に短く、早く読み終えました。
コニー・ウィリスの『航路』もおもしろかったです。