ビブリオマンシーって知ってますか?
開いた本の1ページに書いてあることを読んで、自分自身を見つめなおす、一種の占いのようなもの。
昔は聖書が使われていたとか。
私が実際に見たことがあるのは、石井ゆかりさんの本です。普通に読み物としておもしろい。石井さんの書く文章が好きです。ツイッターで毎日更新される占いの言葉たちも、ひと味違っていていつも楽しみにしています。
もちろん普通の本でもできます。お気に入りの本をパラっとめくって、そこにある文章を読む。ただそれだけ。
児童書とか、アランの幸福論とか、稲垣足穂とか。
心に響く文章に出会ったら、手帳に転記したりもします。
それを読んでどう感じたかというのも一緒に記録をつけていると、別の日になるとまるで知らない人が書いたんじゃないかと思うようなときもあって、興味深いのです。
「それらはたえずたがいに入りまじりながら新しくひびきをととのえあい、音を変え、たえまなく新しいハーモニーをつくり出しています」
(モモ)
「“But you can cut the string and open the box,” said Toad.」
(がまくんとかえるくん)
占いとはいうものの、何かものすごく不思議なちからが働くという感じはしません。
そのときの自分が引っかかる言葉が、いま悩んでいる何かを解決するための糸口になるのは、当たり前といえば当たり前の気がします。
自分と会話するためのツールのひとつといえばいいのか。
カードを引くのも好きですが、リーディングの文法のようなものをまだ理解してないので、案外慣れ親しんだ普通の本をパッと開き、目に心に飛び込んでくる言葉を受け止めるほうがしっくりくるときもあります。