読みました。久々のばなな。
「キッチン」「白河夜船」「つぐみ」あたりはすごく好きだったのに、それ以降の作品にはどうも毒がありすぎて入りこめなかった。
主人公たちは清らかで、周りに汚れた人たちがたくさんいて…汚れてて悪かったですね、どうせ主人公のようにはなれませんわ私は、みたいに拗ねてたんですね、きっと。
最近の作品では、選ばれた人ではない、普通の意地悪な脇役たちにも、やさしい目が注がれてると思えます。
著者は変わってなくて、変わったのはそれを読む私の方なのかもしれません。
みんな間違うし、ちょっとは意地悪だし、弱いし。
でも生きていましょう、かけがえのない一瞬のために。
という話。
よかったです。
人生が全部自分の気持ちや目標でできていたら息苦しくて生きていけないし、どんなエピソードも入ってきてはくれない。半分は向こうから来てくれるから、それに反応することでものごとが動いて、人は何とか生きていけるのだ。