このPBSニュースを見て以来、気になっていた本。
How a book designer plucks a vision from an author’s pages
この方の書かれた本のうち一冊のKindle版サンプルをDLしてみました。
が、サンプルの分量が少なすぎてフラストレーションがたまってしまったので、ついポチリ。積読本にならないようにさっさと読んでしまいましょう…
What We See When We Read (Vintage Original) (Kindle版)
作者: Peter Mendelsund (著)
スティーグ・ラーソンのミレニアムシリーズの、インパクトの強い表紙をデザインしたブックデザイナーによる著書です。
The Girl with the Dragon Tattoo: Book 1 of the Millennium Trilogy (Kindle版)
作者: Stieg Larsson (著)
上に紹介したインタビューでも本の内容にふれているのですが、タイトル通り、読者は本を読む時に何を「視て」いるのか? ということに関する考察が、スタイリッシュなイラストと共に書かれています。
本を読む時に私たちは登場人物を思い描き、頭の中ではまるで映画のように物語が進んでいきますが、読者は人物たちをどのようにクリエイトしているのか。
人物描写を綿密に表現する作家もいますが、すべてを書き表すことはできないし、もしそんな本があればきっと圧倒的につまらないものになってしまうでしょう。
読んだ人誰もが気に入る、ベストセラーの愛すべき主人公も、実はそれぞれの頭の中では全く違う様子で作り上げられています。映画化されれば「イメージと違う!」と憤慨するけれど、かといって頭の中のイメージをきちんと認識しようとすると、すればするほど細部は曖昧になっていくのです。
本を読みながら、私たちの頭の中で何が起こっているのか、改めて考えてみるととても興味深いです。
読みやすい英語で、内容もイメージしやすく、すいすい読めます。読書が好きな人にとっては、あるあるネタ満載のおもしろい本です。ページ数も少なめなので、気になる方はぜひどうぞ。オススメです。
彼のもう一冊の著者は、これまでデザインしてきた本の表紙のコレクション。制作に関する資料や彼自身の文章と合わせて楽しめる作品集です。