4月の新刊、Audibleで聞き終えました~♪
映画「ペイ・フォワード」の原作者、Catherine Ryan Hydeの新作です。
母親の突然の死により、孤児となってしまった16歳と11歳の姉妹は、施設に保護されればきょうだいがバラバラになってしまうと恐れ、かつて家族として共に暮らしていたTeddyを探す旅に出ます。Teddyならなんとかしてくれる、と姉Carlyは固く信じて歩き続けます。手持ちのお金もなく、徒歩とヒッチハイクでのアメリカ南西部を横断する旅は、10代の女の子にとってとても苛酷なものでした。
物語は姉Carlyの視点で語られますが、長女の責任感や、嫉妬や羨望の混じった妹への複雑な思いなどが、長女の私にはものすごくしみました。Carlyの行き過ぎた行動も、そうせざるを得なかった気持ちがよくわかってしまう…。
一見大人に見える16歳の女の子が大人に寄せる期待や信頼。けれど十代の子が思うほど大人はそれほど大人でも強くもなく、よき人間でありたいと思う気持ちと、理想どおりにはなれない現実の間で揺れています。
そして、彼女が旅の中で出会う人たちの善意。「ペイ・フォワード」にもつながりますが、人々の善意、誰かに手を差し伸べようとする気持ちについて丁寧に描かれていました。
ロードノベルなのでストーリーが比較的シンプルで、予想しやすいというのと、登場人物が少ないのが理解しやすかった理由かなと思います。