小米ブランドのAI翻訳機の使い方レポートです。
MY001CN Portable AI Translator 14 Languages from Xiaomi Youpin | GearBest
記事を書いている現在のところ、4399円で販売中です。
現在、中国語・英語・日本語・韓国語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・ロシア語・ポルトガル語・イタリア語・オランダ語・デンマーク語・フィンランド語・スウェーデン語の14か国語に対応しています。
アジアの言語が少ないので、対応言語が早く増えてほしいです。楽しみ。
WeChatアプリ必須
この端末機とスマホをひもづけるには、アプリではなく、WeChat内のミニプログラムと連携する必要があります。
WeChatアプリをダウンロード
Google Playストア、またはiTunesのアプリストアから、WeChatを見つけてダウンロードします。
LINEみたいなアプリです。
アカウント登録に電話番号が必要だったと思います。
WeChatの魔芋翻译アカウントと翻訳機をひもづけなくても、英中翻訳は可能ですが、多言語使用をするなら、WeChatのアカウント作成が必須になります。
「魔芋翻译」アカウントをみつける(ワード検索orQRコード)
WeChat内でアカウント検索して「魔芋翻译」を見つけます。
翻訳機の外箱にプリントされているQRコードを読み込むことでも検索ができます。
ミニプログラム経由で翻訳機をWi-Fiにつなぐ
アプリの指示に従って、翻訳機と連携していきます。
「下一歩」をタップすると、次に進みます。
電源ボタンと、「+」ボタンを同時に押します。
翻訳機から、女声で「联网中 请稍候」という音声が流れます。
Wi-Fiでもいいし、スマホのテザリングでもOKです。
手机热点联网という方がテザリング。
認証コードを翻訳機から聞き取り(数字で中国語)、スマホに入力
ネットに繋がったら、今度はWeChatのミニプログラムと連携します。
中国語ができない人にとっては、ここがいちばんの難関かもしれません。
電源ボタンと、「+」ボタンを同時に押します。
翻訳機から、4つの数字が音声(中国語)で流れるので、それを聞き取り、スマホ画面から入力します。
一度連携が完了したら、次からは翻訳機の電源を入れるだけで使えます。
設定画面から、自分の話す言語と相手の話す言語を指定する。
「我的设备」というボタンと、「翻译记录」のボタンをよく使います。
我的设备(端末設定)>语言配置(言語設定)
语言配置(言語設定)で、自分の言語と相手の言語を設定できます。
「Me」ボタンを押しながら話す方が、自分の言語。
マイクマークのボタンの方が、相手言語です。
海外ユーザーの視点からみると、ここが中国語なのがとても残念です。
でも、ここで「Me」を日本語に指定すれば、日本語と別言語との翻訳が可能になります。
翻訳記録を見る
「翻译记录」を開くと、音声入力して翻訳した履歴がすべて残っています。
聞き取り性能はかなりよいのですが、翻訳結果はイマイチな場合も多いです。
あくまで英・中・韓・日で遊んでみたところでは、単純で短い文章だとわりと問題なく翻訳してくれる感じです。
日本語から他言語への翻訳の場合は、英→日を直訳したときのように、要素それぞれの関係がはっきりわかるような硬めの文章で話すと、うまく訳してくれる印象です。
中国語オンリーのメニュー
WeChatのメニュー言語を日本語にしていても、このミニプログラム「魔芋翻訳」の中のメニューが中国語のままなので、中国語を理解する必要があります。
シャオミのAI翻訳機、中国語の読み書きができる人にはおすすめしたいですが、中国語ができないひとにとっては、このミニプログラムの操作が難しそうです。
翻訳機はシンプルな構成
連携さえ完了すれば、翻訳機自体の構成は非常にシンプルなので、すぐに慣れます。うちの子供たちも遊んでいます。
充電ケーブルはmicro-USB。3.5mmのイヤホンジャックがあります。
写っていないけど、側面にストラップを通す穴もついているので、首からさげておくこともできます。
翻訳時に使うのはマイクのボタンとMeボタンのみ。
自分が話すときは「Me」を押しながら話し、相手にはマイクボタンを押した状態で話してもらいます。
翻訳機は相手に渡さず、自分が持ったまま、スピーカー付きマイクのように使います。
マイクは端末上部、電源ボタンのある面についています。
司会者が、話者に自分のマイクを向けて、発話を促すことがありますが、使用イメージはそんな感じです。
自分「こんにちは」
(Meボタンから指を離して、相手の方に翻訳機を近づける)
翻訳機「你好」
(理解した相手が差し出したマイクに向かって話す・自分はマイクボタンを押す)
相手「这个多少钱?」
(マイクボタンから指を離す)
翻訳機「これはいくらでしょうか?」
真ん中のボタンは、音声AIアシスタントの小愛同学(中国語のみ対応)を呼び出すボタンです。
天気やニュースだけでなく、好きなアーティストの特定の曲などを指定して流してもらうこともできます。
スピーカーは翻訳用途にしぼって調整されており、最小音量もかなり大きめに設定されているので、音楽を流すのにはちょっと向いていないようです。
ほかにも、「面白い話をして」とか、「何歳なの?」とか、Siriみたいな遊び方もできます。
「おじいさんのおねえさんの呼び方は?」など、親戚の呼び方が教えてもらえるのは、いかにも中国という感じ。
中国語ができると、いろいろな使い方ができるので面白いです。
インバウンド・接客の現場での音声AI翻訳機の可能性
インバウンドプロジェクトに関わることがありますが、今年は去年よりも機械翻訳の現場での実用化の話を聞くことが多くなりました。
倍増ではおさまらず、企業からの提案と現場からの声も激増しています。
先日、医療現場での外国語対応について、生の声を聞く機会がありました。
英語であれば医師がある程度の対応はできるのですが、それ以外の言語だと、ジェスチャーに加えスマホの翻訳アプリを使って意思の疎通を図っているとのことでした。
外国語を学び、外国語を使うことで収入を得ている身としても、機械翻訳の今後の動向はとても気になります。
先月発表された、接客現場専用に開発された音声翻訳機、イリーPROも、プレスリリースを見ているととても魅力的です。
受付デスクで常に話す必要のある説明を簡単に呼び出して対応言語で発話させることができるなど、現場の声が反映された、かゆいところに手が届く機能も満載です。
(こちらは個人ユーザー向けのイリー)
今回小米の翻訳機をレビューして感じたことは、マイク感覚で手に持って、ボタンを押しながら話す、というスタイルは、小さなスマホの画面にお互いが頭を寄せるよりは、ナチュラルに会話の応酬ができそうだということです。
スマホの翻訳アプリなら無料なのに、次々とこういったハンディな翻訳機が発売されるのは、やはり現場での使い勝手の良さが求められているのかなと感じました。
企業向けに開発されたAI翻訳機は、手厚いサポートがある代わりに、一台につき月々の利用料がかかってきますが、この翻訳機であれば、数千円の初期投資(と少しの中国語の知識)だけですみます。
お店などの現場に設置して、多言語で対応の必要がある接客をするスタッフのスマホと連携すれば、海外からのお客さんとの意思の疎通の大きな助けになりそうです。
いろんな翻訳機が出ているので、今後が楽しみです。