イギリス人の患者 (新潮文庫)
一気に読めない。言葉の一粒ひとつぶ噛みしめてページをめくり、ようやく読了。トルファンで一度体験した砂嵐を肌で思い出す。砂は熱くて痛くて無慈悲。映画とはまた違う味わい。
患者に学んだ成人型アトピー治療―脱ステロイド・脱保湿療法
私が小さい頃は、肌が強くなるからと、日光浴という名の下に赤ん坊を直射日光の下に転がしていた。
擦り傷や切り傷は徹底的に消毒をしてヨードチンキを塗り、傷を乾燥させるのが正しいとされていた。
今では両方とも間違った方法だとされている。
日光浴は害があり、傷は水洗いだけで消毒せず、乾燥させない方が早く治る。
ステロイドなんて使われだしてからほんの数十年。
私の子供が大人になった頃は、全然違う見解が出されているかもしれない。
現に、軽症ではあるけれど子供時代から使ってきた自分自身が、ステロイドは塗ると劇的に治るけれど、止めた途端、あるいは別の箇所に劇的に再発するってことを身をもって知っている。
知っているのに、知らないふりはできない。まして我が子に。
他人は何だって無責任に言える。意見は頼んでもないのにしてくるけど、その結果に対して責任は取ってくれない。
出口は見えないし、自分が子供のためにやっていることが本当に正しいのかどうかもわからない。
ただ途方にくれてしまう。
学力はこうして伸ばす!
先生って素晴らしい職業だなあ。大部分の人はこうした野望を持って教師という職業を目指すんだろうに、環境の悪さやいろんな要因から、この人のようにビジョンを持って一人一人をのばそうとする授業ができなくなるんだろうなあ。先生って本当に大変な職業だなあ。
日本の教育界は対症療法的な改善を行おうとするけれど、それでは到底抜本的な改革は無理、まずは子供の生活自体から変えていかなくては、根本から変えなくては。そのためには子供も家庭も教育界も、全ての人が劇薬を飲まなければいけない。
という主張が心に残った。上の本のステロイド治療の話と心の中でリンクする。
〈具体的・効率的〉英語学習最強プログラム
確かに、具体的な方法がたくさん紹介されている。けれどこのプログラムが全ての人に効率的であるかというと多分そんなものではないだろう。ペーパーバックを、わからない単語はとにかく無視してスピーディーに読んでいく、とか、単語の覚え方などは、好き嫌いがわかれると思われる。自分の性格や目的によって取捨選択していく必要がある。
電子辞書を大いに利用することも薦めていた。ヒストリー機能は本当にお役立ちなのに、きっとそういう機能があることすら知らないで使っている人がたくさんいるんだろうなあ。
他の多くの高学歴の著者が書いた英語学習本と違い、著者のスタート地点が凡人に近い、というのがこの本が受けている理由の一つかもしれない。言ってることはだいたい同じなのに。
とにかく基本的なことを繰り返す。
これは上の陰山先生も同じことを言っていた。基礎の徹底反復・そして音読は学習の基本ということか。
最終章「上達する人・しない人」は興味深かった。悩んでいるときに開くといいかもしれない。「学習計画はシンプルに」「学習法に不安を持たない」などなど…。
いずれにしてもこの手の本は、目次を読んで著者のテーマを汲んで、15分くらいで読み終えてしまうのが最善だろう。じっくり読んでちゃ勿体無い、取り入れられそうなところだけ頭に叩き込み、あとは勉強時間に回すのが一番。