一気に読みました。
「陽気なギャング~」的な作品かと思ったら全然違ってびっくり。今の社会情勢とダブるところが多いのと、ニュースを見ていてふっと思い浮かぶ言葉にできない違和感をすっぱりと代弁してくれている、と感じました。
この小説の中には日本人が反米感情を抱き、攻撃的になっていく描写があるのですが、これが日中関係のさまざまな出来事を想起させます。少し前の中国での反日デモ、そして冷凍ギョーザからチベット問題に続いた中国への日本人の反応…
これから世の中はどうなっていくんだろう。
この本のような近未来の社会情勢をテーマにした小説といえば村上龍の「希望の国のエクソダス」を思い出します。この本もすごかった。漠然とあてにしていたものをしょっぱなから全部ひっくり返した設定で物語が始まって。結末の暴力的な感じが村上龍らしくはあるけれど、読後感から言えば私は今回の伊坂「魔王」に軍配を上げます。
おまけ(今日の絵本):
エッツ最高。