子連れ北京5日目(1) 天安門・景山公園



夜はさっさと寝てしまうので、朝はすっきりと目覚めます。時差のせいもあるでしょうが、毎日5時ごろ起床しております。
北京に来てはじめての朝日を拝みます。

朝ごはんで、たっぷり野菜を摂取します。子供たちはシリアルと、食パンにバターとイチゴジャムを山盛り乗せて食べるのがお気に入り。
私は香菜たっぷりのワンタンが気に入って毎回食しております。

フロントで12000円を人民元に両替しました。937元。残り7000円。うう。諭吉さんが旅立たれると、さすがに心細いです。

天安門広場

今日の天気予報は晴れ。滞在中唯一、お天気マークがついている日です。
そうはいってもこれまでも、一日中ずっと降り続いているようなことはなく、時折通り雨に出会うくらいです。ちょっと濡れても気にならない小糠雨とか。

(2日目ホテルへ移動中、前を歩いていた男の人が「毛毛雨♪ 毛毛雨♪」と節をつけて口ずさんでいたのを思い出します。重い荷物を持っているときに雨に降られ、ちょっとブルーになりかけていたときに、彼のおかげで気分が明るくなりました。)

貴重な晴れの日、まずは天安門広場へ。
あまり深く考えず、ホテル目の前の地下鉄駅から前門駅へ移動し、そこから天安門広場へインしましたが、早朝から暑すぎました!
おまけに、日曜日で観光客が多く、荷物検査に大行列が!!(広場に入るのに、セキュリティチェックを受けなければならないのです。地下鉄駅でも同様のチェックがあります。両方とも子供は免除)

しかも人民たちは我も我もと順番抜かしをして割り込んできます。さすがの子供たちも、「いけないんだー!抜かしたー!」とぶつくさ文句を言ってますが、ちっちっ、それくらいのことでは人民には立ち向かえませんぞ。

人の波をかきわけかきわけ前に進んで、とうとうはげおじさんとご対面です。


遠いな…

写真にもちょっと写っていますが、あまりの暑さに街灯のポールの細~い陰にもびっしり人が…。大して変わらないだろうになと思いながら、ためしに陰に入ってみると、直射日光を浴びないだけでかなり体感温度が違うんですね、納得。

大きな大きな広場。思えば中学生のとき、初めて中国を訪れたときにも、ここに連れてこられたのでした。まだ外国人は兌換券を使わなければならなかった頃。
数ヵ月後、この広場の名のついた事件が起こったときにはとても驚き、子供ながらにいろんなことを考えました。
そして今回はとうとう、自分の子供を連れてきてしまいました。中国との不思議な縁は、これからも長く続くのでしょう。

その後、仕事でも何度か来たのですが、どうやってここまでたどり着いたのかあまり覚えていません。たぶん一番近い駐車場に観光バスで乗りつけて、迷子を出さないよう神経を使いながら、ガイドさんの旗を見失わないようについていったんだろうなあ。

記憶力の悪い私は、人に連れて行ってもらった場所は「点」でしか覚えていませんが、自分でヒーハー言いながらたどりついた場所は「点と線」で覚えてます。
自由な旅が好きなのには、そういう理由もあるのです。

子供もばしばし写真を撮影。一区切りついたところで、「暑いしここはもういいか、はげおじさんにも会ったしー」と提案すると、「何、はげおじさんどこ、まだ見てない!」とまさかの反応。

毛沢東の肖像画を指差して教えた後、いったい何をそんなに一生懸命撮っていたのか聞いてみると、これでした。

暑い中、直立不動のおまわりさん。

セグウェイに乗ったおまわりさん。おお、全然気づかなかった。
この写真を撮影直後、おまわりさんがいきなり高速移動してびっくりしたんだそうです。

ようやく気づいてカメラでパチリ。
うすうす気がついてたんですけど…、すでに子供のほうが写真撮るの上手…orz

地下道を入り(ここにも物乞いの人たちがたくさんおり、子供たちが緊張していた)、西側のバス停に移動し、そこから一気に景山公園に移動します。
この人の多さ、そして暑さを考えると、子連れで故宮縦断は無謀すぎると判断いたしました。

景山公園

景山公園の中はまるで森のよう、たくさん木陰があって風も吹いています。コンクリート?石畳?の天安門広場とは体感温度が全然違います。
門を入ってまっすぐ、小高い丘の頂上を目指します。
階段が何段あるか、数えながら上りましたが、子供たちの小競り合いのために数がわからなくなり、わりと険悪な雰囲気で到着…

この光景を前にして、疲れが一気に吹き飛びました。美しく波打つ甍の波。数々の物語の舞台となった場所。

じーんとしているところに、「おかーさーんあついーなにもないじゃんージュースはーアイスはーおもちゃの鳥飛ばしていいー」とロマンのかけらもない子供たちがまとわりつきます…

ここはひとつみんなで盛り上がりましょう、ということで、変装大会です。
一人25元のところを二人で40元にまけてもらいました。ラミネート加工された写真各人1枚つき。

ほんとは別の日にでも京劇変装大会を粉墨濃粧というお店で体験予定だったのですが、所持金不足のため断念。ですが子供たちはこれだけで結構満足していた様子。よかったよかった。

変装大会終了後、故宮を一望できるお堂の下に腰掛けてひと休み。おしりの下のつるつる磨かれた石はひんやりつめたく、カラフルな鶴の絵の描かれた屋根の下は涼しい風が吹き渡り、目の前には壮大な故宮が広がります。最高のひとときでした。

階段をおりてすぐの歩道を左に曲がり、トイレへ。
ここのトイレもきれいでびっくりしました。上海と比べ、北京は「変わったなあ」と思うところより「変わっていないなあ、相変わらず中国だなあ」と感じることのほうが多かったのですが、トイレ状況だけは本当に変わっていて驚きました。しかも今、公衆トイレはほぼ無料なんですね。昔は3角とか5角とか払って入る有料トイレが多かった気がします。

さてトイレ。あまりにも暑いので、洗面所でざっと顔と二の腕までをぬらして汗を流します。
トイレの入り口で監視中のおじいさんが、洗った手のしずくを振り払いながら出て行く人たちに「足元がすべるから水を落とすな!!」と雷を落とし続けています。子供は萎縮して、怒られないように1滴も残さないという意気込みでハンドタオルでしっかり拭いています。

男子トイレから出てきた子にも「顔と手をしっかり水で流すといいよ」と伝えましたが、蛇口がセンサー式で背の低い子供だとうまく水が出ない様子。すると、カミナリおじいさんが子供のところへ行き、水が出るように手助けしてくれました。「しえしえ!」とお礼をいい、びしゃびしゃ水を落としながら出口へ向かう子を見て、もう一人の子がヒヤヒヤ見守る中、おじいさんはニコニコ見送り、濡れた床をモップで拭いてくれたのでした。

「…おかあさん、あのおじいさん、○○が水落としても怒らなかったね、やさしかったね」

おかあさんもそうおもいました。
そしてこれまでの韓国や台湾旅のときのように、一人で旅をしていたときには見ることがなかった光景を、今回の子連れ旅でもたくさん見ることができているのでした。

園内にはたくさんバラが咲いています。万里の長城に行くときも、大通りのそばにバラがびっしり植えられていたのを見かけました。北京の市花はバラなんですね。じりじりと焼けつくような日差しをまったく意に介さず、つんとすまして咲くバラはとても素敵でした。

ホテルからわざわざここまで持参した(そしてすでに壊れつつある)、オリンピック公園で買ったバタバタ鳥のおもちゃを飛ばす子供たちを見ながら、私はベンチで休憩です。そばにハスの花が咲いてました。うっとり。

公園内で、恐竜展が開かれており、なにやら大きな模型などが展示されているようでしたが、人の多さに断念。出口へ向かいます。

故宮前のバス停に到着後、最初に来たバスがホテル前まで行くバスだったので、ひとまず乗りました。

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崇文門-前門 地下鉄 2元×2
天安門西-故宮 バス 1元×2(専1)
景山公園入場料 10元×2
故宮-崇文門 バス 1元×2
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【5日目・現在の残金】1800元+7000円

>5日目(2)に続く

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