ポルトベーロの魔女 パウロ・コエーリョ
『ポルトベーロの魔女』は、アテナという名の女性が、自らの存在意義と人生の目的を見つけ出すまでを、スピリチュアルに、官能的に、そして感動的に綴った物語である。
トランシルバニア(ルーマニア中央部)でジプシーの孤児だったアテナは、裕福なレバノンの夫婦に引き取られる。彼女は自分の中に潜む特別な力の存在に気付き、その才能は解き放たれる事を求めていた。
ベイルートとロンドンで信仰深く育ったアテナは、幼いうちから予言的なヴィジョンを見るようになる。成長した彼女は若くして結婚し子どもをもうけるものの離婚。ロンドンの銀行で働き、その後ドバイで不動産を売り、実の母を探しだし、彼女の才能をコントロールするすべを教えてくれる人物を見つけ、やがてポルトベーロで霊視を行い、大衆を熱狂させることとなる――。
深淵でパワフルな本著は、アテナの周辺の人々の証言をもとに彼女の人生の再構成を試みることによって、〈どうしたら真の自分でいる勇気を持てるのだろう。自分がまだ何者かも分からないのに〉という根源的な疑問を問いかけながら、“喜び・情熱・犠牲・愛”の本当の姿を明らかにしていく。
おもしろいです。「マスターキートン」読み返して、ジプシー話に遭遇したところで、この本を手にしたという意味ありげな偶然。
(出版社特設サイト)
コエーリョは「ベロニカは死ぬことにした」からずっと追いかけているけれど、宇宙の力であるとか、自分の内側を見つめて命や生死についての気づきとか、精神的な物語が多い。スピリチュアルではあるけれど、キワモノっぽくない、万人向けのところがいい。(21世紀に入ってから山川夫妻の訳ではなくなったのには何か意味があるのだろうか、と今気づいた)
一人の女性を見る他者の目。彼らが語る彼女の姿は、ひとつとして同じものがない。当たり前だけど、不思議なことだ。
まだ読んでいる途中。とてもおもしろいので紹介してみました。