英語では、書籍や雑誌、音楽などのタイトルの表し方に明確なルールがあります。
キャピタライゼーションルール(capitalization rules)といい、タイトルや英文の見出しでは、このルールにしたがって、単語の頭のアルファベットを大文字で書くのか、それとも小文字で書くのかを判断します。
英語のキャピタライゼーションルール
単語の先頭のアルファベットを大文字にするかどうか、気を付けるのは以下の5つのポイント。
2. 文頭と文末以外の単語については、名詞、動詞、形容詞、代名詞はすべて大文字にする
3. 前置詞と接続詞については、4文字以上の単語は大文字にする
4. 「if、how、why」は大文字にする
5. 冠詞(a / an / the )と3文字以下の前置詞と接続詞は、文頭と文末に使われる場合を除き、大文字にしない
参考 Rules for Capitalization in Titles of Articles
ルールは1つではなく、APスタイル、シカゴスタイル、MLAスタイルなど何種類かのバリエーションがあります。
ルールの適用例
原書で読んだ、『ガール・オン・ザ・トレイン』。
日本語タイトルはガールの前のザがなくなって、トレインの前のザは生きている。不思議です。
ルールにより、文頭のtheは大文字になっていますが、文中のtheは大文字になっていません。onも小文字。
ジャック・ケルアックの『オン・ザ・ロード』。
onは前置詞だけど文頭なので大文字になっています。
前置詞と接続詞の大文字ルールは、4文字以上だったり5文字以上だったり、Amazonの書籍タイトルを見る限り、あまり統一されておらずバラバラです。
中国語のキャピタライゼーションルール
前置きが長くなりました。
英語と同じように中国語でも、書籍タイトルのピンイン表記に何かルールがあるのかしらと気になり、調べてみたらちゃんと国家規格がありました。
以下は適当に端折って紹介しているので、詳しくは下記サイトを参照ください。
中国語書籍・雑誌タイトルのピンイン表記ルール
1. 原則として単語を1つの単位とする。単語の先頭の文字を大文字にする。
2. 結びつきの強い二音節と三音節の語は分かち書きしない。
3. 四音節以上でひとつの概念を表す語は、単語もしくは音の切れ目で分かち書きする。分けられない場合はすべてつなげて書く。
4. 名詞と単音節の接頭辞・接尾辞はつなげて書く。
5. 虚詞は他の語と分けて書く。原則は大文字にしない。
6. 並列構造、略語などはハイフンを使用してもよい。
7. 中国語の人名は姓と名を分かち書きする。姓と名の先頭の文字は大文字とする。固有名詞化している場合は先頭の文字を大文字にし、つなげて書く。
8. 中国語の地名・固有名詞・通称は分かち書きする。分かち書きした最初の文字は大文字とする。
9. 中国地名委員会が認可した地名については特殊な表記を用いてもよい。
10. 中国少数民族および外国の人名・地名については原文に準じたローマ字表記もしくは漢字ピンイン表記いずれも可とする。
维也纳的旋律 Weiyena de Xuanlü)
11. 十一から九十九までの整数はつづけて書く。
12. 「百」「千」「億」と、その前につく一桁の数字はつづけて書く。「万」と「億」と、その前につく十以上の数は分かち書きする。
十万个为什么 Shi Wan Ge Weishenme)
13. 序数を表す「第」とその後の数詞の間にはハイフンを入れる。
14. 数詞の量詞は分かち書きする。
15. アラビア数字と外国語の文字はそのまま書く。
16. 中国語書籍・雑誌のピンイン名称は横書きとする。
こんなにちゃんとした国家基準があるにもかかわらず、アメリカアマゾンで多数販売されている中国語書籍のピンイン表記がまったく統一されていないので、適当なピンイン表記を見るたびにモヤモヤしてしまいます。