予約していた日本語版、届きました。もったいないのでちびちび読んでいます。
NHKBSの週刊ブックレビュー、7月19日に余華さんがスタジオゲストとして登場するようです。
それから、文藝春秋のサイト内に、訳者の泉京鹿さんの文章が掲載されています。
『世界的作家・余華の問題作–「兄弟」を読み解くために–』
泉京鹿さんはすごい。
私が漠然と考えていたことを着々と行動に移し、周囲を巻き込んでムーブメントを起こそうとしている。勝手にかなり年上だと思っていたら、なんだ、ほとんど違わないではないですか。
中国の小説は、現実にはまだまだ「文学をする」人たちのもの。中国の小説の翻訳といえば、「文学です!」とつんとすました印象の本か、武侠のちょっとマニアな香りのするシリーズもののどちらかくらい。大きくもなく小さくもない、街の普通の書店の棚では、あまり見かけないし、あっても隅っこに追いやられていたり。
そんなところに、泉京鹿さんは、10tハンマー振りかざして風穴を開けようとしています。衛慧やアニーベイビーという、「それそれ!」と膝を打ちたくなる作家の作品をひっさげて。
アメリカ文学が、日本のふつうの「本を楽しむ、物語を楽しむ」人たちのものになったように、中国文学もそんなふうにシフトしていってほしい。文化の違いと、その違いを超えた人間の普遍性を、もっと楽しめるようになればいい。
私もこのブログを通じて、彼女の後ろにこっそりついていって、小さなトンカチ程度ではありますが、加勢できればいいな、などと考えているところです。
余華「兄弟」到着、泉京鹿さんのこと
