重厚な時代小説、読み終えました

飯嶋 和一の6年ぶりの新刊です。
寡作な作家さんですが、いつ出るか、次はどんなテーマか、いつもとっても楽しみにしています。ぜひとも長生きしていただきたい。

前作は島原の乱でしたが、今作は隠岐騒動と呼ばれる反乱を題材にした物語です。

歴史の授業で暗記した名詞があれこれ出てきます。大塩平八郎っておでこのやけにでっぱった肖像画の人だっけ、いやあれは大村益次郎、などと、教科書に出てくる覚えなければならないことがらのひとつでしかなかった歴史上のひとびとの名前が、物語を通じて、血の通った一人の人間としてぐんぐんと立ち上がってきます。

江戸時代中期から末期にかけての圧政に苦しむ貧しい農民や漁民の暮らしが描かれていますが、このご時世、自分の生きる今の時代と引き比べながら読んでしまいます。いつの間にこんなに涙もろくなったのか、まだ最初のうちだから平気だろうと電車の中で読み進めていたら、うっかりティッシュ1枚じゃすまないくらいめそめそしてしまいました。

軽い読み物ではないですが、できるだけ多くの方に、ぜひ一度作者の本を手に取ってほしいと思います。

最近の作品は特に重苦しい題材のものが多いので、最初に読む作品として「雷電本紀」をおすすめしています。伝説の力士のおはなし。
主要作品がちゃんとkindle化されていて感激です。

こういう名もなきひとびとの話が大好きです。帚木蓬生の「水神」「国銅」も絶賛おすすめ中です。

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