読書でボキャビル!(1)



中国語のボキャビルの大部分は、結果的に本や新聞を読むことで継続させてきた私としては、やはり韓国語においても、好きな読書を利用して語彙増強をはかりたいところです。

英語の方でも、去年多読を試しましたが、わかったのは、GRを読むのはずいぶんと退屈で、読んで楽しいのは絵本や児童書だということ。近くの図書館に洋書絵本の蔵書が揃っているので、かなりの冊数を読みました。(雑な性格なので語彙数記録は途中で挫折…)

それで語彙量が増えたという実感はないのですが、英語を英語のままで理解するのに助けになったと思います。
とはいえ韓国語のレベルはまだまだ一般的な小説を読むほどまでには至っていない上、ハングルにも目が慣れず、ページを開いただけで頭がくらくら、目がちかちかしてきます。

多読で語彙増強するための勉強法

そんな状態でもなんとかお話を読みながらボキャビルできないかと、学習法を参考にしたのがこの2冊。

「おじさん、語学する」の方は、日本語の翻訳版があるものと原書をつきあわせて読むという方法。

これはるもんがさんも「CNG(カンニング)読書法」と称して実践していらっしゃいます。

「できる人の英語勉強法」からは、「英語マークアップ勉強法」。

他にも「丸ごと洋書書き写し術」「洋書を読みながら単語帳をつくる」(ずっと前に読んだときのメモなので正確な表題ではないと思います)などいろいろ参考になる学習法があったのですが、あまり負荷が高くなく、一番続けられそうだったのが前述の「マークアップ勉強法」。

マークアップ勉強法とは

これは、

  • ページを(できるだけ速く)音読し、「a.全く知らない単語」「b.どこかで聞いた覚えのある単語」「c.そのページに何度も出てくる単語」にそれぞれ印をつける。
  • 印のついた単語の意味を類推し、bとcに限って辞書を引いて意味を確認する。

という学習法。aの全く知らない単語をあえて調べない、という方針がユニークです。

まずはこの「マークアップ」を実践してみました。

読むのは角田光代の「キッドナップツアー」の韓国語版(画像左)。

韓国語小説

図書館によっては児童書コーナーにも置いてある、小学生の女の子と父親とのふれあいを描いた、ハートウォーミングな物語です。女の子の一人称で語られているのも、難しい言葉がなくてわかりやすそう。

ところが、1ページにものすご~い時間がかかるのです。40分くらい?

理由は3つ。
・「全く知らない単語を調べない」というルールを破ってしまい、いちいち調べた。
・用言の変化のため、全く知らない単語かどうかすら辞書を引いてみないとわからない。また、辞書を引くのに(英・中と比較して)時間がかかる。
・語尾詞など細かいところまでいちいち調べた。

というわけで、自分なりにルールを変更。

「おじさん、語学する」の「必ず日本語を先に読んで内容を確認してから外国語を読む」というルールを必須としました。

これがなかなか難しいのです。ついつい外国語を先に読んで自分の力を試したいという、妙な闘争心?負けじ魂?が湧き起こってしまうんですよね。ボキャビルという目的の大きな障害になる、無駄な意地です。

その他、自分で設定したルールは以下の通り。
日本語を黙読した後韓国語を音読し(1ページごと)、知らない単語にマークをつける
 (助詞や語尾詞、接続詞などには印をつけない)
3ページほど読んで、印をつけた語の中から10個だけ選んで辞書を引く
 (ただしオノマトペは全部チェック&メモする→楽しいので)
10ページほど読んで、好きな1ページを精読(るもんがさんに倣って)

助詞や語尾詞などは、日本語と語順がほぼ同じと言うこともあり、読んでいくうちにだんだん雰囲気がつかめてくるだろうということで、マークは外しました。名詞も日本語版とつきあわせればだいたいわかるので、主に動詞と形容詞を辞書で調べます。

どういう基準で辞書を引くかはあえて決めずに、引ける回数だけ決めました。とはいえそれも別に絶対というわけではなく、辞書引きだけで息切れして読書自体が続かなくなってしまうのを防ぐためです。

音読については、お手本がないので難しいところなのですが、眠気払いのつもりで声を出しています。

このルールについては、始めた1週間後にまた少し調整しました。その内容についてはまた後日紹介したいと思います。
いつまで続けられるか自信はないのですが、大好きな小説でもあるので、がんばってみようと思います♪

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コメント

  1. rororo より:

    こんにちは。すごいですねえ、その闘争心・・・。
    わたしは初心者のころ、幼児用韓国のむかし話や世界名作児童文学のカセット付き絵本を買い求め、ゆっくりした朗読を繰り返し聴きました。
    ハードルの低すぎる学習法ですが、わるくなかったと思います。やさしい丁寧体だし、オノマトペもいっぱい出てきますしね(笑)。

  2. Marie より:

    >rororoさん
    そうですよね~やっぱりハードル高すぎかしら…
    カセットつき絵本なんてあるんですね。ああそうか、日本にも朗読音源のついた絵本、ありますわ。
    ちょっとそちらも考えてみますが、どうも「勉強」と思うとたちまち続かなくなってしまうんですよね…今のやりかたは、どうも「勉強」とは思っていないみたいで。勉強じゃなかったらなんだろう、ケンカかな(笑)

  3. kumaneko より:

    そうそう、GRは退屈なんですよね~。
    私は英語は全く辞書は引きません。引くとしても、何度も出てきて、どうしても類推できない!となったときのみ。
    辞書を引かなくてはならない本は多読に使わないようにしています。
    そういう意味では、ボキャビルらしいボキャビルではないですが、でも自然と知っている単語は増えていきますよ。
    とはいえ、韓国語、変化とか面倒そうですね~私はハングルの読み方のみで挫折したっきりなので、何もいえないのですが。
    いつもながら、すごく前向きで、刺激をいただいてます!がんばってね~。

  4. akira より:

    GRは退屈で、楽しいのは絵本や児童書というのはちょっとびっくりしました。私はほぼ正反対です。GRにも児童書がかなり入ってますし、何が違うのか不思議です。語彙の難易度も変わりませんよね。なぜGRが退屈なんだろう……。私はGRを読んで感じたのは、
    1.既に内容を知っているものは面白くない
    2.フィクションは面白くない
    2.CDで聞いても面白くない
    ということで今は Oxford Bookworms Library の True Stories と Factfiles を中心に読んでいます。

  5. Marie より:

    >kumanekoさん
    そうですね、多読は知らない単語が多すぎるものは向いてませんね。最近、意識的に毎日少しでも英語に触れる時間を作っているんですが、それだけでも少しずつ知っている単語が増えているなという感覚があります。
    ちなみにkumanekoさんはオーディオブックはどのように入手&さがしていらっしゃいますか?メールでもコメントでも結構ですので、またいろいろ教えてください♪
    >akiraさん
    なぜ退屈なんでしょう…びっくりさせちゃってすみません。
    関連サイトを見ていると、同じような意見を耳にしますけどね。特にフィクションに多いかも。
    それほど数も読んでいないのでなんとも言えません。

  6. kumaneko より:

    GRが退屈、というのは、確かに個人的な感想ですね。
    私は、名作系のGRを何冊かよんで、退屈してやめてしまったんですね。シャーロック・ホームズとか、ブロンテ姉妹とかだったかな?
    ホントは長い話なのに、あらすじみたいで、つまらなかったのかもしれませんね。
    GRにも確かに面白いモノがあるかもしれません。
    それで児童書に行きましたが、日本でも邦訳が出ているMagic Tree Houseシリーズ(ためになる~)、さらにLouis Sacher、Lois Lowry、あたり、英語力はそれほどなくても読めて、内容的にもけっこう深い、というので嵌りました。あとはKonigsburg、これは結構難しかったけど、すごくよかったので。
    ボキャビルになっているかは分かりませんが、仕事の英文を読むのが苦痛でなくなりましたので、効果はあったような。
    それからオーディオブック。CDではなく、私は一時期audibleの会員になって、ダウンロード販売で買っていました。
    http://www.audible.com/
    ただ、継続的に聞くのは結構しんどく、通勤時間が短くなったところで、あまり聞かなくなって辞めてしまいましたが・・・まだ購入したまま聞いてないのとかも残ってます。
    またこのあたりはそのうち・・・

  7. 「基礎文法を体得するための多読」と「語彙力強化のための読書」

    読書でボキャビル!(1)(Mandarin Note)  色んな方法がありますね。私もやったことがあるのがあります。 「必ず日本語を先に読んで内容を確認してから外国語を読む」  私はこれは駄目でした。面白くなくて耐えられません。日本語で読んだらもう満足して読めなかった

  8. Marie より:

    >kumanekoさん
    >ホントは長い話なのに、あらすじみたいで
    そうそう!そうなんですよ!
    私の舌足らずな説明を補足していただいてありがとうございます。伝記のたぐいもそんな印象を受けました。
    私はこれまで洋書といえば、好きな作家の作品を買って、読もうとするものの断念、日本語版とちょっとつきあわせてみる、ということを繰り返していたので、今回の「チョコレート工場」は新鮮な体験です。
    本も映画もこれまで見たことがないのに、するする理解できるんですね。このレベル、このおもしろさなら多読も続けられそうです。
    Audibleは知っていましたが、月に一冊こなすことはとうてい無理なので、あきらめていました。itunesなどでも探しましたが、結構高いんですね~

  9. kumaneko より:

    ダール、おもしろいですよね~
    Matilda とか、George’s marvelous medicineとかもおもしろかったよ~
    チョコレート工場、も、映画より原作の方が毒が効いててよかったです。
    オーディオブックで聞くと、詩のところか、リズミカルな言葉遊びが楽しいかも~と思いました。
    そうそう、英語はとても簡単なのに、すごく印象に残っているのが、Frindle という童話。知っているかな~?もし機械があったら是非読んでみて!

  10. akira より:

     すいませんやっぱり不思議でしばらく悩みそうです。あらすじで読む名作ということでしょうか?
     ごく最近読んだGRに The Bronte Story と Jane Eyre があります。Jane Eyre は普通に面白かったですが、kumanekoさんの挙げたのに直撃してる……。もちろん日本語のジェーン・エアは読んだことなかったです。
     検索しても退屈/面白くないという人は簡単には見つからないのですが、文体に違和感を覚えるという人がいますね。日本語訳もありそうな本をわざわざ洋書で読む人は、台詞の本当の語感や音感が知りたいのかもしれません。
     あるいはシリーズによって差があるかもしれません。Penguin Readers、Macmillan Readersは面白くなかったですが、Oxford Bookwormsはそれなりに面白いものが多いです。
     Mary, Queen of Scots: Stage 1
     Henry VIII and His Six Wives: Stage 2
     Jane Eyre: Stage 6
     この3つはアマゾンの書評も高いです。Oxford Bookworms の Jane Eyre は Stage 6 で100ページ越えているので、あらすじ感はそれほどないと思いますが、それでも原作の1/10ぐらいなんですね。読むのに6時間かかった……
     ……むしろ問題は児童書が面白く読めるかどうかかもしれませんね。みなさんが挙げているものを図書館でちょっと探してみようと思います。

  11. Marie より:

    >kumanekoさん
    GWの間、開いたのは子供の絵本のほかには「チョコレート工場」だけでした。いや、おもしろいですわ~。未知の単語も、このくらいの量ならすっとばしても全然OK。のちのち「こういう意味なのね」と文脈からわかるのも爽快です。
    Frindle、残念ながら近くの図書館にはありませんでした~が、ペーパーバック、買ってみようと思います。日本語版のあらすじ読みましたが、とってもおもしろそうなので。ご紹介ありがとうございます!
    >akiraさん
    どうしてでしょうねえ。ある作家の作品を好む人と好まない人がいるように、GRにもそういった好き嫌いが顕著に出るんでしょうか。初級レベルのGRは各出版社まんべんなく(Amazonで高評価のフィクションばかり)読みましたが、どれもいまいちでした(私の個人的感想)。そのあと児童書に移ったのですが、あまりにおもしろくって、GRはほったらかしです。
    たとえばakiraさんの読まれた中国の郭敬明。
    私は、彼がどのような狙いあるいは考えでこの小説を書いたのか、また読者がこの物語にどういう反応を示すのかを知るという目的でなら彼の作品を読むことができますが、純粋に内容を楽しんで読むのはしんどいなと思います。
    あと、ジェイン・エアの中国語オーディオブックを聴くのはそれほど苦痛はありませんでした。
    読書が好きな人ほど、GRにも好みが顕著に出るんですかね~。

  12. るもんが より:

    Marieさん、こんにちは。私のCNG読書法を紹介していただき、ありがとうございます。ブログではまだ書いていませんが、フランス語の読書、2冊目に入りました。英語のCNG読書も始めました。(Graded Readersは、私も楽しめません。何が原因なのかと思いますが、何か言葉が甘いような気がして。)
    「闘争心?があって日本語より原語を読んでしまう」というのは、原語の能力がそこそこあるからではないかと思います。英語の読書では私もちょっとそういうところがありますが、フランス語のときは原文だけでは手も足も出ないので、英語訳を先に読むのはぜんぜん平気でした(日本語訳でなく英語訳だからというもの少しあるかもしれません。二冊目のフランス語読書の訳本は日本語なので、今後比較してみます)。
    大学のとき、英語の多読にすごく多くの時間を費やして、身につけました。今は時間がないので同じことはできないし、だからと言ってラジオ講座だけでは二年もすると退屈になります。CNG読書法は純粋な多読でもないし精読でもない方法ですが、今の私の生活にはあっているかなという感じです。
    (まとまりのないコメントで長くなってすみません)

  13. Marie より:

    >るもんがさん
    TBに失敗したあと、関連記事を書いた旨コメントしようと思っていたのですが、すっかり遅くなってしまいました。先にコメントをいただいてしまい、恐縮です。
    CNG読書法、予定より遅れつつも、なんとか続いています。私の闘争心?は、能力というよりも、韓国語の語順が日本語と酷似しているせいだと思います。
    「Aは○○するのが△△なので、Bに××された(動詞・否定的なイメージと推測)」
    てな感じで、ほとんど単語がわからなくっても、なんとなく理解できるような気がしちゃうんですね。それで意地を張ってしまうという…。ですからCNG読書法は韓国語学習にとても向いているかと思います。
    そうですね。私も中国語を集中して身につけたのと同じ方法で韓国語を習得することは、今の環境では到底無理です。
    CNG学習法は、「読んでみたいけどまだ読めない」という後ろ向きな判断を「読んでみたいなら読んじゃおう」という前向きな決断に変えてくれるところがとてもいいです!