「さくらんぼ 母ときた道」



「櫻桃 Cherries」
去年の東京国際映画祭に出品され、来月1日より日本で公開される作品です。
前に買っておいたのを、やっと見ました。
あまり期待していなかったのですが、よかったです。登場人物と同化して映画の世界を満喫しました。もうボロ泣き、ひとりっきりということもありしゃくりあげて泣いてしまいました。映画館でなくてよかった。
公式サイトを見ると、あらすじはほとんど書いてあるようなので、それほどネタバレにならないでしょうから、ざっと感想を。知的障害のある女性が血のつながらない子供を育て、やがて大きくなっていくにつれ、子供は母を疎ましく思い始める…という、どこか「アイ・アム・サム」を思わせる設定です。
雲南の自然が美しかった!そして子役の女の子がものすごく可愛かった!苗圃の演技もすばらしかった!彼女がひたすら走るシーンがあるのですが、「初恋の来た道」みたいだなーと思っていたら、あとで確認したら脚本が同じ人の手によるものなんですね(邦題も似せてるし)。走らせるの好きなのね~。
母を恥ずかしく思ったり、注がれる愛情を疎ましく思ったりは、思春期の頃にはよくあることで、きっと誰にも似たような思い出があるのではないでしょうか。女の子の気持ちもよくわかったし、子供を思う母の気持ちもよくわかった。2倍の思いで胸が一杯になって、なんでもないところで涙がごんごん出ました。
こんなに涙が出るのは、多分自分はここまで無私に無心に子供を愛せないだろうとどこかで思っているから。櫻桃のように子供にまっすぐに向き合い、100%を出し切って相手になる時間を、今の生活でどのくらいとってるだろう、と反省しました。上の子は治療に通ってできたのですが、そのときのつらさ、生まれたばかりの頃の大変だったこと、そういうことを今は忘れて、この子がそばにいることが当たり前になり、子供の騒々しさを疎ましく思ったりする一瞬すらあること…忙しい毎日の中でも、ほんの少しの時間でいいから、子供に全身全霊で愛を注いであげたい…、いろんなことを考えては、目頭を熱くしていました。
来月映画館に足を運ぶ予定のある方、ハンカチをお忘れなきように。

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