声調を体にしみこませる

みなさんは、授業に参加するとき、あるいはラジオ講座を聞くときなど、どのように準備をされていますか?
初学者の頃は、授業の予習にとても手間がかかりました。
テキストの内容は、漢字を見ればだいたい意味は取れるのですが、ピンインと声調をきちんと調べるのに辞書を引いていると、辞書引きに慣れないせいもあって、あっという間に時間がたってしまいます。
私の場合、まずノートに本文を写し、ピンインを本文の下に、声調記号を漢字の真上に書き込みます。そして初出単語を次のページにずらりと並べ、意味や関連する事項(対義語や類義語など)をまとめていきます。
授業では、ノートのピンインつき本文と、テキストのまっさらな本文とを使い分け、自分が単語を覚えているかどうか確認します。
学習が進むにつれて徐々に知らない単語が減っていくので、テキストの本文に声調記号だけ書き込むだけですむことが多くなっていきました。
その、声調記号だけついた文章を、テープについて音読すると、なんだかうまくいかない。教室で生徒が声を合わせて読み上げるときにはそんなことはないのに、この違和感はなんだろう。
考えた結果、問題は、自分の目が声調記号を気にしすぎていることにあるような気がしました。声調というのは音の高低の目安であって、マーマーマーマーと練習したそのままの音程で文章中に存在するとは限りません。
そこで、テキストに書き込むのは声調記号ではなく、波線グラフにしてみました。
テープを聴いて感じたままの抑揚を文章の真上にぐにゃぐにゃと鉛筆で薄く書いていくのです。ちょうどバイオリズムのグラフのように。
この線を見ながら音読すると、自分の声調がテープの音声としっくりいくようになりました。
さらにその後、教室の日本人学生に特有の癖に気づきました。
たとえば簡単な文で例を挙げてみると、
我是田中
という文を読むと、日本人は声調とピンインに正確であろうとして、また、もともと日本語の持つ性質が原因となって、
ウオ・シー・ティエン・ジョン
と4拍で読みますが、先生が実際に読み上げるのは、
ウオシー・ティエンジョン
と2拍に近いリズムです。
長い文章になると、さらにそのリズムは強調されます。
こうしたリズムを、私は息継ぎの記号で表すことにしました。
我是田中
であれば、是と田の間にレ点を打ち、
「ウオシー」が2字の漢字だということを忘れるような気持ちでひとくくりにして読みます。長い文章であればレ点の数は減り、より多くの単語を一息で読むことになります。
ピンインや声調をないがしろにしていると、後でツケがまわってくるので、きちんと調べ記憶する作業はとても大事です。でもこうして文全体のリズムとか音の高低のうねりを自覚しながら音読することは、それを体にしみこませることができるという点でとても重要だと思います。

「声調を体にしみこませる」への2件のフィードバック

  1. 瑪莉さん、こんにちは。
    教科書を楽譜にしちゃうのはいいですね。私も「スラー」や息継ぎ記号を入れてます。あと、「弱く」とか「それほど高くない」とか。
    声が気持ちよく出るように読むと、文章の意味が生き生きしてくるように感じるときがあります。
    瑪莉さんの記事はご自分の経験を元にしつつも普遍的な原理原則を紹介しているように感じます。ありがとうございます。

  2. Shiraさんこんにちは。
    ご訪問ありがとうございます。
    実はShiraさんのところには、こっそり日参していました。
    教科書を楽譜に!そうですね、そういうことですよね!うまい説明の仕方が見つかりませんでしたが、その通りです。
    Shiraさんの記事を拝見していると、特に発音のことで勉強になることがたくさんあります。基礎固めが弱いのが今になって響いてきています…
    今後もいろいろ参考にさせていただこうと思います。どうぞよろしくお願いします。

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