アウトライナー・「シェイク」のおもしろさ



Wordのアウトライン機能はこれまでも仕事で日常的に使っていました。

今回、Kindleのセルフパブリッシングでは、るうさんの「MSWordをプロセス型アウトライナーとして使うためのテンプレート」が大活躍しました。

MSWordをプロセス型アウトライナーとして使う

Photo by mariannehope ■ 先日ご紹介したとおり、 @takwordpiece さんがアウトライナーについての本を出版されました。 『アウトライン・プロセッシング入門(Tak.)』 この本の最後のほうに、「アウトライナーフリーク的Word論」という文章があります。


Kindle本自体はこのブログで既に公開している記事のいくつかをベースにリライトしていったのですが、その作業では、上記ブログ記事でも紹介されている、Tak.さんの『アウトライン・プロセッシング入門』を大いに参考にさせていただきました。

過去記事「Kindle本を出版してみた・原稿を準備する」でも書いたのですが、今回、アウトライナーを使って文章を書いたときに味わった新鮮な気持ちを紹介したくて、あらためて記事にすることにしました。

Wordのアウトライン機能は、ただ章や節を入れ替えるためのものではない

Wordのアウトライン機能は、見出しを折り畳んで全体を俯瞰できるという以外に、簡単にパーツを入れ替えることができるところが便利で日常的に使っていました。ドラッグでパーツを組み換えることで、編集作業がラクになる。カット・ペースト作業にありがちな、切り取ったパーツを見失うということがなくなる。

るうさんのテンプレートを使うことで、段落ではなくもっとちいさな文章単位での入れ替えが可能になりました。

すべての階層が同じフォント・同じサイズで表示されることで、全体を均等に平等に見渡すことが可能になり、思い切った構成の変更=シェイクもどんどん実行できるようになりました。

どんどん拡げて、枝葉を繁らせ、刈り込み、また育てる

はじめに決めていたテーマと章立ては、書籍化の作業の中でどんどん変わっていきました。

ブログで公開していた記事のいくつかを柱にして構成を考えていましたが、各章をふくらませていくうちに、もともとあった「柱」の必要性を感じなくなってしまうこともありました。

「いつでも自由に組み替えられる」という安心感もあって、気にせず書きたいことをどんどん書き足していき、全体の流れを調整する中で「ここには不要」と感じたパーツは、消すのではなく、枠の外にいったん出しておきました。

通常なら、不要な部分を刈り込む=削除する、となるのですが、アウトライナーで書いていると、「とりあえずこっちに置いておこう」と脇に避けておけます。

一段落したときに、その一時退避した断片たちを見直すと、いろいろ思いつくことがあり、そこからまた新たな流れができてきます。間引きをした小さな苗が、大きな場所に移してやることで、ぐんぐん伸びていくような感じです。

くっついたり離れたり、小さくなったり大きくなったり、有機的に絡み合いながら、たえず形を変えていく文章の前で、私はずっと、自分の言いたいことは何なのだろうと考えていました。

本をダウンロードして読んでくださった方が、本を形にする過程で私なりに出したひとつの考えと同じことを感想として伝えてくださったとき、すごく嬉しくてドキドキしました。

「アウトライナーで文章を書く中で、最終的に本のテーマとしたかったものにたどりつけた」という経験は、私にとってとても大きなものでした。

ライフログは基本箇条書きでつけているので、悩みであったりこみいった感情であったりも、長い文章ではなく、手短なメモとして記録しています。

頻繁に振り返りをするノートなので、引きずりたくないものに関してはあまり目につかないように淡々と記して、マイナスの感情を何度も蘇らせないように気を付けています。

ですが、解決はしたいけれども自分でも深掘りした方がいいのかしない方がいいのか判断がつかないような、複雑な感情に関しては、アウトライナーにどんどん思いつくままに書いていって、出てきた雑多なパーツを静かな気持ちで組み替えていくことで、整理や片付けができるのではないかなと感じています。

「シェイク」はくせになる

普段ブログを書くときはアウトライナーを使っていません。ざーっとかなり速いスピードで書いた後、何度か見直しをして、不要な部分は削除しています。

今まで「いらない部分」として切り捨ててきた断片が残っていたら、またそこから新しい芽が出てきていたんじゃないだろうかと考えると、なんだかすごくもったいないことをしてきた気がします。

「シェイク」して、また書いて、また「シェイク」して、また書いて…、あの、何か生きものを扱っているような、日々違うものを目のあたりにする新鮮な感じを味わうために、また何か書いてみたいなあと思っています。

ちいさなくふうとノート術: ごちゃごちゃの頭を整理して楽しく暮らす私のノートの使い方
Bullet Journalをメインとしたノートの使い方、そして時間の使い方、学習記録、など、いろいろつめこんだノート術に関する本を2017年1月21日に出しました。時間をうまく使うための工夫と、それを管理・記録するノートの使い方について書いています。

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